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愛のデート券 18
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コートの中にいる篠原はまるで別人だった。
チータのようにコート内を駆け回り。
きれいなフォームで。
きれいな円を描きながら、ゴール内にボールが吸い込まれていく。
「また決まりましたー!!篠原柊、1人で56点目!!篠原が得点王に着々と近づく一方、相手チームのC組は差を縮めることが出来るのか!?」
放送部の実況が耳に入る。
すごい。
1人で56点って…
今が、C組42点、E組68点だから、ほぼ篠原1人で点を取ってる。
「あいつすげーな。」
「え??」
「篠原だよ。もしかして、得点王狙ってたりしてな。」
孝太の言葉に顔が熱くなる。
本当に取るつもりなのかよ、得点王…
「なんかあのコンビには勝てる気しねーな。」
「あのコンビって??」
「篠原と健。よく見ろよ。健がボールをとってる間に、篠原がゴール前まで走って、健がボールをとれば、篠原にパス。そして…」
「ゴール!!篠原柊、これで62点目!!どれだけ得点を稼ぐのでしょうか!!」
「な??」
「た、確かに…」
篠原と武藤の無駄のない動きとパス回し。
ホントに上手い。
そして、周りのみんなも同じようなことを思っているみたいだ。
「すげーな、篠原と武藤。」
「あぁ。E組にはあたりたくねーな…。」
そんなことを言っているのが聞こえる。
でも、違うことも聞こえた。
「篠原やばい!!かっこよすぎる!!」
「篠原かっこいいよねー!!」
「うんうん!!あー、1回でいいから抱いてほしいなぁ…。」
そんなことが。
嫌でも耳の中に入ってくる。
でも、それを言っているのはこの2人だけじゃない。
他の人たちも篠原にうっとりしながらそんなことを言っている。
俺のなのに…
俺の篠原なのに…
胸の中に黒いものが姿を現す。
こんなこと。
こんな最低なこと考えたくないのに…
頭が勝手に回転して。
思いたくなくて、蓋をしているのに、俺の黒い気持ちを引き出していく。
そして、頭の中で黒い気持ちが何度も何度も声となって響いていく。
こんなこと思いたくないのに…
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