アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
愛のデート券 21
-
「あの、篠原…」
あいつは大丈夫って言ってたけど、大丈夫なはずがない。
絶対、俺の行動に傷ついている。
「ホント、平気ですから。もう試合なんでしょ??早く行ってください。」
「いや、でも、」
「大丈夫ですから。ね??」
また笑顔を向ける篠原。
でも、その笑顔はやっぱり笑ってなかった。
「篠原…やっぱり、」
「おーい!!夕貴ー!!何やってんだよ!!早くしろー!!試合始まるぞー!!」
クラスメートの声が聞こえる。
すると、篠原は「ほら、呼んでますよ。」と、ポンッと俺の背中を軽く押した。
振り向くと、篠原はもうクラスのところに行っていて。
俺はどうしようか戸惑って、その場を動けないでいると、「夕貴、早くしろって!!」と、クラスメートの1人が俺の腕を引っ張って。
モヤモヤした気持ちのまま、クラスメートがいるところまで足を進めた。
「夕貴、遅いぞ!!ほら、入れ!!」
クラスのもとに行くと、もうみんな集まって大きな輪を作っていて。
俺も委員長に腕を引っ張られて、クラスの輪の中に入った。
そして、みんなで肩を組んで。
円陣を組んだ。
「一回戦は、2年D組だ。あんまり心配はしてないが、油断はするなよ。」
「「「うぇい!!」」」
「それと、夕貴、孝太、祐介。おまえら3人が重要だからな。任せたぞ。」
「「「うぇい!!」」」
「よし…B組いくぞーッ!!」
「「「うぇーいッ!!!!」」」
委員長のかけ声とともに、クラスのみんなで気合いを入れる。
そして、俺自身も。
今は、試合に集中しないといけない。
がんばらないと…
「では、各クラスの選手のみなさん、整列してください。」
審判の呼びかけに各クラスの選手たちが集まる。
D組の選手は結構身長の高いやつが揃ってる。
委員長が言ってたように、油断大敵だ。
「よ、夕貴。モテるやつは大変だな。」
俺の前に並んでいるD組のみんなが口々に言う。
「ま、俺も得点王狙ってっからさー。」
「おまえ狙ってんのかよー。」
「当たり前だろ。おまえもさ、俺とデートならいいだろ??」
「…何が言いたいんだよ。」
「うーん…簡単に言うと、負けてってことかな。」
「なっ!!」
「俺らにそんなこと言って勝っても、結局は他のクラスに負けて、得点王になんかなれねーよ。いや、優勝もできねーか。」
隣に並んでいる孝太が口を挟む。
「孝太ッ…。おまえだって、この企画を楽しそうにしてたもんなー。もしかして、おまえも夕貴とデートしてーの??」
「何を今さら。こいつとデートなんか何回もやってるし。得点王とかわざわざこんなめんどうなことしねーよ。」
「なっ…てめぇっ!!」
「おい、孝太!!何水差すようなこと言って、」
「でも、そうだなー。おまえらも参加するなら、俺も得点王狙っちゃおっかなー。」
「は??何言ってんだよ、孝太!!」
「おっ!!なーんかおもしろくなってきたじゃん!!俺も得点王狙おっかな!!」
「なっ!!祐介まで!!」
俺の隣の祐介まで話に入ってきた。
なんか…
ものすっごくめんどうなことになってる気がするんだけど…
俺の気のせい??
「おまえらみたいなのに、夕貴とデートなんかさせるわけにはいかねーからな。」
「そーそっ!!」
「ホント、何にも変わんねーなぁ。孝太と祐介は。」
「おまえらもな。」
「まぁ、いい。全力でおまえらをぶっ潰しにいくから。覚悟しとけよ??」
「それはこっちのセリフだ。」
「えーっと、盛り上がっているとこ申し訳ないんですが、そろそろ試合を始めたいと思います!!では、今から、2年B組対2年D組の試合を始めます!!礼っ!!」
「よろしくお願いします!!」
俺たちは礼をして。
いよいよ試合が始まった。
はぁ…
やっぱり気のせいなんかじゃない。
いろいろとめんどうなことになってしまった…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 117