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愛のデート券 24
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試合が終わって、並んで。
試合のはじまりと一緒で礼をする。
D組の選手のみんなの顔はどこか悔しそうで。
隣の孝太と佑介は満足そうな顔をしていた。
佑介はともかく、孝太に関しては、さすがドSだなぁ…と。
逆に感心してしまった。
「では、これで2年B組と2年D組の試合を終わります!!礼ッ!!」
「「「ありがとうございました!!」」」
拍手と歓声に包まれて。
一回戦を勝って、きゃっきゃっ騒いでいる自分のクラスのところに戻ろうとすると…
「俺はおまえのこと、諦めねーから。それだけは覚えておけ…。」
「え??」
思わずD組のほうを振り返る。
すると、D組の選手もこっちを見てて。
「わかったか??」
あの悪態っぷりはもうどこにもなくて。
あれが本当の気持ちなんだとすぐにわかった。
「うん。」
俺はそれだけ言って、自分のクラスメートが待っているところまで駆け寄った。
「夕貴、何か言われたのか??」
さっきの話が聞こえてたのか、見ていたのか。
孝太が心配そうな顔で覗き込んできた。
「いや、なんでもない。」
「そうか。」
「孝太先輩!!夕貴先輩!!」
「健??」
名前が呼ばれたので、そっちを見ると、髪が少し濡れた武藤と、俯きながらこっちに向かっている篠原がいた。
「さっきの試合、すごかったです。な、柊。」
「あ、あぁ…。」
まだ俯いたまま。
顔を合わせようとしない。
それもそうか。
あんなふうに拒絶されたら誰だって嫌だよな…
「おっ!!何々??夕貴と孝太の彼氏??」
「ちげーよ。あ、でも、篠原と夕貴は本当。」
「え、まじ!?とうとうかよー!!」
「なんだ、知ってたのかよ、佑介。」
「まぁな!!」
「佑介先輩…ですか??」
「あぁ、うん。そうだよー。」
「俺、武藤健です。」
「おー、知ってる知ってる。おまえ、結構有名人だもんな。」
「そうなんですか??」
「うん。」
孝太と佑介、武藤の3人は楽しそうに話している。
でも、俺たちの間には長い沈黙が流れていて…
正直、とても気まずい…
それに気づいたのか、孝太は俺の背中を思い切り押してきた。
「わっ!!」
「っ!?」
思わず、目の前にいる篠原の胸の中に飛び込む。
「ご、ごめっ…え??」
謝って。
急いで離れようとすると、逆にギュッと。
抱きしめられた。
「孝太先輩、まだ試合ないですよね??」
「あぁ。しばらくないけど。」
「じゃあ、先輩借ります!!」
そう言った篠原は、俺の手をしっかりと掴んで。
強く引っ張って。
「仲良くやれよー!!!」という佑介の声とともに、体育館を後にした。
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