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愛のデート券 25
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連れてこられた場所は、お馴染み空き教室。
ホント、ここは毎度毎度お世話になっている教室だ。
空き教室に入ると、掴んでいた腕をグイッと引っ張られて。
また篠原の胸の中にすっぽりと入ってしまった。
「あの…しのは、」
「嫌がらないんですか??」
「…え??」
「俺にこんなことされて、嫌じゃないんですか??」
「なっ!!い、嫌じゃないに決まってるだろ!!」
胸をグッと押して、篠原から離れる。
すると、ようやく篠原の顔が見えて。
「っ…」
なんで…
なんでそんな泣きそうな顔すんだよ…
「じゃあ!!じゃあ、なんであのとき…」
「あれは、ただ…は、恥ずかしくて…」
「恥ずかしい…??」
「人前であんなことしたことないから…。ただ恥ずかしかっただけだよ…。」
「そ、それだけ??」
「な、なんだよ、それだけって!!」
「俺が嫌いだからとかじゃないの??」
「だから、違うって言ってるだろ。」
すると、「はぁ…」と。
大きなため息をついて、力なくしゃがみこんだ。
「なんだ…。そっか…。」
「変な方向に考えんなよ。それに、弁解しようとしたのに、全然話聞こうとしないし…。」
「だって!!…嫌いだって言われると思ってたから。」
顔をほんのり赤くして。
俯いてしゃべる。
顔に髪がかかってよく顔が見えなかったけど、なんだかすごく愛おしくなった。
篠原にゆっくりと近づいて、しゃがみこんで。
背中に腕を回して、胸に顔を埋めて。
ギュッと抱きしめる。
「え…先輩??」
俺の突然の行動に驚きを隠せないでいる篠原。
顔は見えないけど、声でわかる。
どれだけ驚いているか。
それがなぜだか妙におかしくて、篠原の胸の中でクスクスと篠原に気づかれないように笑った。
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