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愛のデート券 27
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《♪ピンポンパンポン 次は、3年B組と1年E組の試合です。3年B組と1年E組の生徒のみなさんは、体育館に集まってください。》
校内放送が流れる。
篠原のクラスの試合だ。
もうそんな時間なんだな…
ホント、篠原といると、時間なんて忘れてしまう。
それくらい、時間が経つのがあっという間で。
いくら時間があっても足りない。
どうせならいっそう…
このまま時間が止まってしまえばいいのに…
そんなことを思ってしまう。
「もうそんな時間ですか??」
「みたいだな。」
「はぁ…早いな。」
「え??」
「先輩と一緒にいる時間は過ぎるのが早いなって。」
「え…」
「このまま時間が止まればいいのに。そしたら、先輩とずっと一緒にいられるのに。」
でも、そんなことを思っているのは俺だけじゃなくて…
「な、なんですか!?さっきからニヤニヤ笑って!!」
「ううん、なんでもない。」
篠原も同じことを思っているんだなって思うと自然と頬が緩んで。
顔のニヤニヤが抑えられなかった。
「はぁ…じゃあ、俺試合ですから。体育館に戻りますよ。」
「あぁ、うん。」
歩きだそうとすると、急に篠原がグイッと腕を引っ張って。
耳元に顔を近づけた。
「俺だけを見てて。俺だけを応援して。」
「ね。」と顔を離して、微笑んで。
俺は顔が熱くて、篠原の顔が見れなくて。
俯いて「うん…」と、震える声でそう答えた。
「じゃ、行きますか。」
俺の返事に満足したような表情で、体育館に向かって歩きだす篠原。
俺はそんな篠原の背中を追って。
一緒に体育館に向かった。
体育館に着くと、篠原はすぐに自分のクラスのところに行き、俺は「おーい!!夕貴!!」と、孝太と祐介の声に導かれて、一番前の列に行った。
俺のために前の列を取ってくれたらしい。
そして、試合が始まって…
3年生との試合なのに、篠原のクラスのほうが圧倒的に強くて…
なんと、42:96という大差で1年E組が勝利した。
「やっぱ、E組はすげーな。」
「だな!!」
そんな話をしながら、篠原を見ていると、バチって目が合って。
爽やかな笑顔で手を振られたので恥ずかしかったけど、俺も微笑んで手を振り返した。
そのあと、孝太と祐介に冷やかされたのは言うまでもない。
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