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愛のデート券 29
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昼休憩も終わって。
俺と篠原は体育館に戻った。
すると、もうすぐで準決勝の試合が始まるということで、たくさんの生徒で溢れかえっていた。
「すごい人数だな…」
「ま、そりゃあ優勝候補二組の試合だからねー。観たいってやつが多いんだろ。」
体育館に行くと、すでに戻ってきていた孝太がそう言った。
「負けねーからな、しのは…って、どうしたんだよ、その指。」
俺の指に気づいた孝太が目を大きく見開いて驚いている。
「いや、その…実はさっきの試合で突き指しちゃって。」
「なんで早く言わないんだよ。」
「別に大したことないかなって。それに、篠原がテーピングしてくれたし。」
「ほらっ。」と言って、きれいに巻かれた指を見せる。
「だから、大丈夫。」
「おまえがそう言うならいいけど…。でも、えらい自信だな。相手チームのケガの処置をするなんて。」
「そんなの先輩が特別だからに決まってるじゃないですか。」
"特別"という言葉にドキッと心臓が反応した。
「ま、でも夕貴先輩にはこの試合に出てもらわないと困ります。」
「どうして??」
首を傾げて聞き返す。
「だって、夕貴先輩、孝太先輩、祐介先輩を倒してこそ意味があるんですから。」
余裕の笑みでそう答える篠原。
自信に満ちていて…
なんてかっこいいんだろう…
「俺らも負けねーから。全力で来いよ!!」
「孝太先輩…望むところです!!」
「ま、楽しくやりましょーよ!!ねっ!?」
孝太の後ろからひょこっと祐介が顔を出す。
そんな祐介を見て、微笑みながら、「はい。」と優しい声で答えた。
「篠原。」
「ん??」
「さっき言えなかったけど、これありがとな。」
篠原にテーピングしてもらった指を見せて。
お礼を言う。
「いえ。」
「あの、さ…」
「ん??」
「こ、恋人同士とか関係なく、俺は、その…おまえを倒しにいくから!!だから…」
「そんな顔真っ赤にされて言われてもねー。」
「なっ、んっ!?」
ちゅっと。
触れるだけのキスをされた。
小さなリップ音が妙に大きく聞こえて。
さらに顔を赤くした。
「俺も、この試合で先輩たちに勝って…得点王になりますから。夏休みのデート、楽しみにしててくださいね。」
そう言って、篠原は自分のクラスのところに行った。
「あれ??夕貴、顔赤いけど…」
「な、なんでもない!!」
孝太に顔が赤いのが気づかれたので、顔を逸らして。
「では、準決勝の試合を行いますので、選手のみなさんは並んでください!!」
審判の声とともに俺と選手たちは一斉に並んだ。
そして…
「今から、1年E組と2年B組の試合を始めます。礼ッ!!」
「「「お願いしますッ!!」」」
その声とともに、試合が始まった。
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