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夏休み前の静けさ 07
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「先輩、顔真っ赤ですよ。」
「い、いちいち言うなッ!!」
「そ、その反応はもしかして、本当に付き合ってるんですか!?」
ジリジリと俺たちのところに詰め寄ってくる長谷川。
「なっ!!そ、そういうわけじゃ、」
「何否定しようとしてるんですか??」
「べ、別に否定なんてしてないだろ!!」
「じゃあ、やっぱり付き合ってるんですね!?」
「だ、だから違うって!!」
「ほら、否定したじゃないですか!!!」
「あーもう、うるさーい!!!」
―10分後―
「で、おまえはいったい何が聞きたいんだ。」
「え、えっと…」
あのあと、3人でギャーギャー騒いでて。
全然話が進まないということで、一番めんどうな篠原を追い出した。
そして、長谷川と空き教室で2人っきりで、ご飯を食べながら話している。
「あの、やっぱり会長は篠原くんと…」
「っ!!ま、まぁ…」
「ど、どうして付き合おうと思ったんですか!?やっぱ、付き合ってるからこそ、あんな行為をするんですよね!?付き合ってなかったらあんな行為しませんよね!?」
ズンッと顔を近づけてきて。
真剣な目で俺を見ながら聞いてくる。
つーか、この1年は何てことを聞くんだよ…
「な、なんでそんなことが気になるんだ??」
「へ??」
「そんなこと、普通気にならないだろ。好きな人とか、気になる人とかがいるなら別だけど。」
「っ!!好きな、人…」
近づけていた顔を離して。
パンを頬張りながら俯いた。
「そういう相手、いるのか??」
「わ、かりません…」
「そっか…。」
「なんていうか…そういう対象で見ていなかったので…。急に好きだとか俺のもんだとか言われても、よくわかんなくて…」
長谷川の言葉にドキリとした。
昔の自分を見ているみたいで…
そして、今の自分も…
胸の奥がざわついた。
「俺もそうだった。」
「え…??」
「好きとか言われてもよくわかんなくてさ…。」
「会長も…??」
「あぁ。それに今も少し…な。」
「え??」
「ほら、おまえが聞いてきただろ??”篠原と付き合ってるのか”って。」
「は、はい。すみません、なんか失礼なことをズカズカと聞いてしまって。」
「いや、それは全然平気なんだけどさ。なんか、それ聞かれて、いちいち戸惑ってしまう自分がいるんだよな。」
「戸惑う??」
「あぁ。篠原と付き合ってることがみんなに知られたくないって思っている自分もいるし、篠原を独り占めしたいっていう自分もいる。」
「会長…」
「あいつのことは好きだ。でも、2つの自分が頭の中でグルグルして。時々わからなくなるんだ。」
って、何を言ってるんだろな、俺…
相談されてたのに、こっちが悩み吐き出して。
ホント、何やってんだろ…
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