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夏休み前の静けさ 12
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「…ぱい……せん、ぱい……夕貴先輩ッ!!」
「っ…」
「もう、何やってるんですか。」
目を開けると、目の前に篠原のきれいな顔があって。
周りを見渡すと、屋上だった。
あ、そういえば…
授業受ける気になれなくて、サボって…
それで、眠くなって寝たんだっけ…
ぼんやりと思い出してきた。
「先輩??」
「あぁ、ごめん。寝てた。」
「こんなとこで寝てたら風邪引きますよ??」
「うん…。」
体を起こして、目をこすって。
「んーっ!!」と大きく背伸びをした。
すると、ポケットに入れておいた携帯が鳴り響く。
見てみると、メールで。
相手は孝太からだった。
孝太??
なんだろう…
そう思いながら、受信ボックスを開くと、孝太から何件ものメールが来ていた。
内容は、『どこにいるんだ??』とか、『もう授業始まってるぞ。』とか。
「ん??」
「どうしたんですか??」
「いや…」
でも、1件だけそれとは違う内容のメールがあった。
『今、どこにいるんだよ。別に、教室に帰ってこなくてもいいから、連絡くらいしろ。あ、それから、夏休みにクラスのみんなで遊ぶのなんだけど、プールとバーベキューに決まったから。とにかく、連絡しろ。』
プールとバーベキューか。
確かに、夏らしいことがしたいとは言ったけど…
本当に孝太の案が通るなんてな…
なんだか、おかしくなって、小さく笑った。
「孝太先輩から??」
「あ、うん。……そういえば、どうして俺がここにいるってわかったんだ??」
「俺も孝太先輩から連絡がきたんですよ。」
「孝太から??」
「夕貴が戻ってこないから、どうせどこかでサボってんだろって。」
はははっ…
孝太には適わないな…
「そっか。…篠原、今何時??」
「14時27分。」
「あー…」
微妙な時間だな…
6時間目が始まるのは30分から。
別に間に合わなくもないけど、やっぱり受ける気にもなれなくて。
俺は、もう一度自分の腕を枕代わりにして寝転がった。
「サボるんですか??」
「うん。篠原は教室戻りなよ。授業間に合わない…って何やってんの??」
篠原は俺と同じく。
隣に寝転がった。
「俺もサボろうと思って。」
「え??」
「それに、昼休みは長谷川のせいで先輩とゆっくりできなかったから。」
「っ!?」
「あれ??なんで顔赤くなってんの??」
ニヤリと笑う篠原。
気づいてて。
わかっててあんな遠まわしな言い方してるくせに。
「べ、別にッ!!」
「あ、もしかして、えっちのこと思い出しました??」
「っ!!」
「俺は、ゆっくり話せなかったからって意味で言ったんですけどねー。」
「~っ!!」
意地悪だ!!
ドSだッ!!
なんで俺の周りってこうドSが多いんだろうか…
「先輩??」
空に向けていた体を俺の方に向けて。
肘を立てて、手に顎を乗せて。
俺の顔を意地悪そうな笑みを浮かべながら、見下ろしている。
「どうします??」
「っ…」
スッと。
俺の手に篠原の手が重なった。
「続き…する??」
「っ…。…す、る。」
「りょーかい。」
ニコッと。
優しく微笑んで。
体を起こして、俺の上に覆い被さって。
優しいキスをした。
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