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夏休み前の静けさ 14
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「はぁ…きつい。」
「お預けくらっちゃってたからねー。」
「それでも、限度ってものがあるだろうが!!!おまえのは1回1回が激しすぎんだよ!!!」
体が痛いので、寝転がったまま。
ガンッと足蹴りをする。
「いって!!」と、隣で腰をさする篠原が見えた。
「だって、あんな顔で、シたいとか言われたらさー。我慢できないでしょ、普通。」
「っ!!」
「ほら、まーた顔赤くなった。」
するりと篠原の手が頬を滑る。
それがとても心地いい。
「あんまりそういう顔、他の男には見せないでくださいね。」
「え??」
「嫉妬で狂いそうになるから。」
「っ…。」
その言葉を聞いて、昼休みの光景が頭に浮かぶ。
嫉妬…。
おまえだってそんな優しい顔見せんなよ。
かっこいいとこ見せんなよ。
俺以外、近づかせんなよ…
言葉にできなかった嫉妬にまみれた心が表に出てこようとする。
「お、おまえだってッ!!」
「ん??」
でも、言おうと篠原の顔を見た瞬間、心が揺れた。
ダメだ…
こんな気持ち…
絶対に篠原には言えない…
「いや…なんでもない。」
「ん??…あ、もしかして、話したいこと話そうとしてたんですか??」
「…話したいこと??」
「え、忘れたんですか??ほら、メールで昼休みに話したいことがあるって言ってたじゃないですか。それで、昼休みに話せなかったから、今話そうとしたんですよね??」
あー…
すっかり忘れてた。
そうだよ、孝太にデートのこと決めてこいって言われて、無理矢理追い出されたんだった。
「その顔…もしかして忘れてた??」
「え??」
「じゃあ、さっきの言いかけは何なんですか??」
「あ、いや…そうだよ!!メールで話したいことがあるって言ってたことだよ!!それについて話そうと思ってたんだ!!」
「…なんか怪しいんですけど。」
「いや、本当だって!!」
「ふーん…。ならいいですけど。で、話ってなんですか??」
横になっていた俺の隣に篠原も寝転がる。
2人で大きくて広い、青い空を眺めた。
「夏休みのデートのことなんだけど。」
「あー、あれね。俺もいろいろと考えてたんですよ。」
「俺も、考えてた…。」
「あ、それで、先輩たちってクラスで遊ぶんですよね??」
「あ、うん。それがどうした??」
「どこ行くんですか??」
「え…あー、なんか最近近くにプール出来たじゃん??結構種類もいっぱいあって、人気らしいから、そこに行って。あと、そこでバーベキューもできるらしいから、バーベキューするけど…。それがどうかしたのか??」
「いや、どうせなら、かぶらないところに行きたいなと思って聞いただけです。」
「あ、そうなんだ。」
それから、篠原はぺらぺらと話し始めた。
自分の行きたいところや、有名なとこ、おしゃれなとこ、ロマンチックなとこ…
篠原の口から次々と出てくる。
「あとはねー、」
「あのさ。」
俺は、篠原の言葉を遮って。
口を開いた。
「夏休みに帰省しようと思ってるんだ。」
「はい、知ってます。あ、それでデート出来ないとかなしですからね!!」
「むしろ逆だよ。」
「え…??」
「帰省するから、デート出来るんだ。」
「それって…」
ガバッと、勢いよく起き上がって。
何か察したのか、篠原の頬がほんのり赤くなる。
そんな篠原に俺も心が温かくなって…
自然と頬が緩んだ。
そして、俺もゆっくりと起き上がって。
篠原の手に自分の手を重ねた。
「地元に…俺の実家に来ないか??」
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