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夏休み前の静けさ 16
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「いよいよ、明日から夏休みに入ります。ここ最近では…」
今日は終業式。
そして、明日からいよいよ夏休み。
待ちに待った夏休みだ。
校長先生の長ったらしい話の次が、生徒会長である俺の話。
1年生の頃は、校長先生のときの話がとても眠くて仕方なかったのに。
今では、次に自分が話すということを考えると、緊張で目が冴えてしまう。
そして、校長先生の話のときに周りを見渡すと、やっぱりみんな寝ていて。
俺の話のときも寝てるんだろうなぁ…なんて思うと少し悲しくなり、校長先生の気持ちも少しわかるような気がした。
「では、学生の本業を忘れずに!!有意義な夏休みを過ごしてください。」
校長先生の長い長い話が終わる。
校長先生が一礼をして、ステージから降りてくる。
そして…
「続きまして、生徒会長の話。」
その言葉が体育館に響く。
緊張感が増した。
そして、ゆっくりゆっくりとステージ上に上がって。
周りを見渡す。
すると、さっきまで寝ていたみんなはなぜか起きていて。
でも、俺の話をちゃんと聞いてくれるんだなって思うと、とてもうれしかった。
そして、みんなに一礼をして。
今日のために書いてきた紙を広げて。
それをもとに話し始めた。
「今日は終業式。一学期が終わりです。一学期が新入生が入学したり、文化祭、クラスマッチとたくさんの行事がありました。みなさんは、クラスのみんな、そして学年のみんな、学校のみんなと仲良くなれたでしょうか??僕は、生徒会を通して、たくさんの生徒と関わり、とても充実した日々を送ることができました。楽しいこともあれば、苦しいこともあって。それでも、楽しいことが多かった一学期だったと思います。みなさん、楽しい時間をありがとうございました。そして、明日からいよいよ夏休みです。いろいろ遊ぶ予定が詰まっている人もいるとは思いますが、校長先生がおっしゃったように、学生の本業を忘れずに、楽しい夏休みを過ごしてください。みなさんと、また二学期に会えることを楽しみにしています。」
一歩下がって。
礼をする。
すると、拍手に包まれる。
それがとても心地いい。
話しているときは緊張するけど、話し終わった後のこの感覚は好きだ。
ステージから降りて、自分の椅子に座る。
そして、生徒指導の先生の話と次々進行が進んでいって。
「これで、終業式を終わります。」
やっと長い長い終業式が終わった。
一学期が終わったなーという実感が湧いてくるとともに、明日から夏休みなんだなーという実感も湧いてきて、胸が躍る。
いつもは楽しみくらいなのに。
今年の夏休みは今までとは違うから…
篠原と…
好きな人と過ごす夏休みだから…
なんだか、落ち着かない。
「先輩。」
「篠原…。」
解散して、すぐに俺のところに来てくれたのだろうか。
武藤も孝太のところにいた。
「まだ生徒会ある??」
「いや、今日はもうないよ。」
「じゃあ、帰ろっか!!」
「うん。」
今日も一緒に帰る。
2人で並んで…
一緒に…
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