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夏休み-水沢家- 11
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「付き合ってる…だと??」
「はい。」
はいって…
そんなに素直に答えなくていいから!!
ていうか、お願いだから黙っててくれ!!
「に、兄ちゃん、篠原が言ったことは、」
「……さん。」
「え??」
「許さんッ!!!なんでおまえみたいな不良が夕貴と付き合ってんだよ!!」
「に、兄ちゃん!!」
「おまえなんかに夕貴を渡してたまるかッ!!!」
「あぁ、もううるさいッ!!いいから、黙ってて!!!」
-5分後-
「ごめん、篠原…。」
「いや、俺のほうこそなんかすみません…。でも、あんなに先輩のこと溺愛してるなんて、思いませんでした。」
「ははっ…変、だよな…??」
「いえ、先輩が弟なら、溺愛する気持ちもわかるので。」
わかるのかよ…。
あれから俺たちはなんとか兄ちゃんから逃げて。
一旦俺の部屋に非難した。
「でも、なんであんなこと言ったんだよ。」
「ん??あんなことって??」
「つ、付き合ってるって…。」
「あぁ。だって、いつかはバレることでしょ??」
「そ、そうだけど…」
「それに、先輩も大切だけど、同じように先輩の家族も大切だから…。だから、嘘はつきたくなかったんです。」
「っ…」
こういうときの篠原は本当に素直で…
心がきれいだなって思う。
強いなって羨ましくなる。
「でも、もし反対されたら…」
「大丈夫です。認めてくれるまで何度も話します。先輩のこと手放すつもりないんで。」
「っ…」
どうしてこんなに強いんだろう…
どうしてこんなにきれいなんだろう…
俺は絶対こんなふうにはなれない…
こんな強い人間にはなれない…
「先輩??」
なんだか、篠原のぬくもりがほしくて。
篠原の爽やかな香水の香りに包まれたくて。
ぎゅっと。
抱きしめた。
すると、篠原もぎゅっと抱きしめ返してくれて。
なんだか安心して、目をゆっくりと閉じた。
「どうしたんですか??」
「ううん。なんでもない。なんか…篠原に抱きしめて欲しくなっただけ…」
「なんですか、それ。」
ふっと笑う篠原。
首元に篠原の顔が埋められてて。
息がかかってくすぐったい。
「篠原…好き。」
「俺も…大好きです。」
あぁ…
落ち着く。
さっきまでの不安や怖さが嘘のように消えていく。
ずっと、このままでいたい…
このまま…
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