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夏休み-水沢家- 12
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「夕貴、俺のことは好きか??」
「え…って、うわっ!!!」
瞑っていた目を開けると、目の前に兄ちゃんの顔があって。
驚いて、すぐに篠原から体を離した。
「どうなんだ、夕貴。」
「どうなんだって…。何勝手に入ってきてんだよ!!」
「おい、夕貴。どうなんだ??」
「やめろよ、その質問!!恥ずかしいって!!」
「夕貴、答えろ。」
「~っ」
なんだよ、これ…
篠原の前でこんなこと答えないといけないのかよ…
でも、嫌いって言ったら、まためんどうなことに…
「はぁ…」
俺はため息を吐いて「好きだよ。」と。
だるそうに答えた。
すると、兄ちゃんの顔がパァッと明るくなって。
「そっかそっか!!夕貴はそんなに兄ちゃんのことが好きなのか!!兄ちゃんも夕貴のこと大好きだぞッ!!」
そう言って。
ギューッと力強く抱きしめられた。
「く、苦しい…。兄ちゃん、苦しいから…は、離してっ。」
あまりにも強く抱き締めるから苦しくて。
背中を何度も叩くが、いっこうに離してもらえない。
「に、兄ちゃんッ、」
「離してください。」
スッと。
体から力が抜けて。
苦しみから解放される。
「し、篠原…」
そして、なぜか俺は篠原の胸に体を預けていて。
俺の肩に篠原の手が乗っていて。
しかも、すごい力が入ってることから、俺と兄ちゃんを引き離してくれたのだろう。
「大丈夫??先輩。」
「あ、あぁ。」
「…何してんの??」
「それはこっちの台詞です。先輩、嫌がってたじゃないですか。」
「嫌がってた??そんなわけないだろ。俺と夕貴は兄弟で、仲良しなんだから。なぁ、夕貴。」
「え、えーっと…」
「それなら、俺だって先輩とは恋人同士です。お兄さんの知らない先輩をたくさん知ってます。」
「はぁ!?んだとー!!!つーか、おまえにお兄さんなんて呼ばれる筋合いないわッ!!!」
「じゃあ、何て呼べばいいんですかッ!?」
「瑛太様と呼べッ!!!」
「はぁ!?」
始まってしまった…
いつかはこうなるんじゃないかって思ってたけど…
こんなに早く始まってしまうとは…
「夕貴ッ!!!」「先輩ッ!!!」
「は、はいッ!!」
急に大きな声で名前を呼ばれたから、肩がビクッと跳ねる。
2人の顔を交互に見ると、顔はものすごく真剣。
何を聞かれるのだろうか…と、ヒヤヒヤする。
「好きなのはもちろん俺だよな!?」「好きなのはもちろん俺ですよね!?」
「…え??」
またしても2人きれいにはもって。
こっ恥ずかしいことを聞いてくる。
「「だーかーらッ!!」」
「好きなのは俺だよな!?」「好きなのは俺ですよね!?」
あまりにも息がぴったりすぎて、呆然とする。
ていうか、これ答えないとダメ…??
「えっと…」
「「どっち!?」」
「兄ちゃんも篠原も、どっちも好きだけど…。」
「「それじゃダメッ!!!」」
「えー…」
誰か、この状況どうにかしてください…
というか、助けてください…
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