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夏休み-水族館- 06
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一旦、水族館を出て。
鞄からチケットを2枚取り出すと、それを受付の人に見せて。
また水族館の中に入る。
「し、篠原??」
「ん??」
「な、なんでまた水族館に??」
「これ…」
そう言って、俺に見せてきたのはさっきのチケット。
そこには…
「夜の…水族館??」
そう書かれてあった。
「うん。」
「行きたかったのって…これ??」
「そっ。だから、今日じゃないとダメだったんだ。」
「え??」
「水族館。」
「あっ…」
そういえば…
そんな話をしていたのを思い出す。
俺が、『別に、今日水族館じゃなくてもよかったのに。』そう言ったら、『海はいつでも行けるから。』と。
篠原は答えた。
「これ、今日だけなんだ。」
「え??」
「夏休み限定の。それで、先輩からここの水族館に行きたいって聞いて、ネットで調べてたら、これがあって。どうしても先輩に見せたかったんだ。」
そこまで考えていたんだ。
俺のために…
俺のためにわざわざ…
チケットまで取ってくれた。
「これ、年に一度で、すごく人気らしいから、もう少しで売り切れだったみたいなんだけど…。ホント、先輩と来れてよかった。」
「っ…」
優しく微笑む篠原に。
すごく触れたくなって…
俺は、繋がれていないほうの手を篠原の首に回して。
ぎゅっと抱きしめた。
「せ、先輩!?」
「ありがとう…」
「え…」
「俺…すっげーうれしい…。ホント…ありがとう、篠原。」
すると、篠原も俺の背中に腕を回して。
ぎゅっと抱きしめて。
「うん。」と。
俺の肩に顔を埋めながらそう言った。
「先輩、いいの??」
「何が??」
「誰か見てるかも…」
「いいよ、別に…」
今はそんなことよりも…
篠原への感謝の気持ちと、愛おしさで…
心がいっぱいだから…
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