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夏休み-水族館- 07
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あのあと、俺たちが来た場所は…
「ここ…」
俺が大好きな大きな水槽。
「なんでここに…??」
「ここで、年に一度のイベントがあるんだ。」
「イベント??」
「うん。」
≪夜の水族館にお越しいただき誠にありがとうございます。≫
俺たちが話していると、アナウンスが流れる。
すると、篠原はするりと。
繋いだ手に巻かれたストールを外した。
「え??」
「しー。」
人差し指を立てて。
口元に当てる。
そのしぐさが、すごく色っぽくて、かっこよくて…
だんだん鼓動が速くなっていくのを感じた。
≪では、みなさん!!大変ながらくお待たせしました。年に一度の夜の水族館、大イベントの恋のアクアマリン!!!大好きな恋人と一緒に楽しんでください!!≫
そのアナウンスが俺の耳に入ってきて。
バッと。
篠原のほうに勢いよく顔を向ける。
「イベントって…」
「そっ。恋のアクアマリンのこと。」
恋のアクアマリン。
聞いたことがある。
意味は海の中の結婚式。
恋人、好きな人と見て、永遠の愛を誓うことができる。
そして、永遠の愛を誓えば、2人は永遠に結ばれる。
通称、運命のイベントと呼ばれている。
「俺も聞いたことあったけど…本当にあったんだな。」
「うん。」
薄暗くなっていた水槽が青とピンクでライトアップされる。
その瞬間、わあああぁぁと。
歓声が沸いた。
俺も、そのきれいにライトアップされた中で優雅に泳いでいる魚たちを見ていると、上からはハート型の花びらがひらひらと落ちてきた。
この花は何ていう花なんだろう…
「永遠の愛…か。」
「先輩??」
俺は、手のひらを広げると、その上にひらひらと花びらが落ちてきて。
その花びらを見つめながら、ポツリと呟いた。
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