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夏休み-海- 01
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「篠原ー。」
「んー??」
「何か他持っていくもんあるー??」
「んー…。あ、日焼け止め持って行ったほうがいいんじゃない??やけすぎると後で痛くなるから。」
「そうだなー。」
夜9時。
俺たちは、明日の海に備えて準備をしていた。
リビングに繋がる和室に、持っていくものを広げていく。
意外と持っていくもの多いな…
これ全部入るバックなんてあったっけ??
そんなことを思いながら、クローゼットの中にある鞄を見ていく。
「あらあら。ずいぶん荷物が多いのね。」
「母さん。」
「これ、紅茶。おいしいって評判だったから、買って、さっそく淹れてみたの。ちょっと休憩したら??」
「そうですね。先輩、休憩しましょっか。」
「うん。」
和室のテーブルの上に紅茶を並べて。
俺と篠原は隣同士に。
そして、母さんは俺たちの前に座る。
「明日はどこに行くの??」
「海に行くんだ。」
「海かぁ。いいわね。」
他愛もない話をしながら、紅茶を口に運ぶ。
「んっ!!うまっ!!」
「ホントだ!!おいしい…。」
「でしょ??」
俺と篠原の反応に得意げな顔の母さん。
それがなんだかおかしくて…
3人で笑いあった。
すると…
「夕貴ー。久しぶりにゲームでも…って何してんの??」
兄ちゃんが、和室にゲームカセットを持ってやってきた。
「あら、瑛太も一緒に紅茶飲む??」
「え、あ、うん。で、何してんの??」
「明日の準備だって。」
「明日の準備??夕貴、どっか行くのか??」
「あぁ、うん。篠原と海に行ってくる。」
「はぁ!?」
大きな声をあげる兄ちゃん。
なんか嫌な予感が…
「ゆ、許さんぞ、そんなの!!!」
やっぱり…
てか、
「この前、俺と篠原のこと許してくれただろ??」
「あれはあれ。これはこれだ!!」
なんか…何言っても無駄な気がしてきた。
半ば諦めていると…
「俺も行く。」
「え??」
「俺も行くッ!!」
「は!?何言ってんだよ、兄ちゃん!!」
「行くったら行くんだよ!!」
「ちょ、兄ちゃん!!」
兄ちゃんはそう言って。
逃げるように去っていった。
本当に一緒に行く気なのだろうか…
「じゃあ、お母さんも行こうかしら!!」
「…は??」
母さんまで変なことを言い出す。
「じゃあ、俺も行こっかなー!!」
和室の扉から顔を出した父さんまでそう言い出した。
「なっ、父さん!!」
「先輩、いいから。みんなで行きましょ??」
「で、でも…」
「俺は別にいいですから。それに、海は多いほうが楽しいし。」
「ね??」と。
優しく微笑んで。
首を傾げる篠原。
そんな顔でそんなこと言われたら、断れるわけもなく…
「わ、わかった。」
俺はそう答えた。
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