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夏休み-海- 10
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「なんでこんなときに、そんなこと言うんですか…」
「え??」
「そういうことはベッドの中で言って欲しいんですけど。」
「は、はぁ!?」
せっかくいいムードだったのに。
この篠原の一言で台無しだ。
俺は、篠原から体を離して、勢いよく立ち上がった。
「誰がそんなこと、って、そういえば…」
「ん??」
「あの、さ…」
「なんですか??」
篠原が首を傾げながら不思議そうにこちらを見る。
好きって言うのも恥ずかしいけど…
なんかこれを面と向かって言うのも恥ずかしいな…
「えっと、その…お、お誕生日、おめでとう、ございます…。」
「知ってたんですか??俺の誕生日。」
「い、いや…。薫くんから聞いて…。」
「そっか。ありがとう、先輩。」
ポンッと。
頭の上に手を置かれて。
優しく俺の頭を撫でてくれた。
「でも、俺…プレゼント用意してなくて…。」
「いいですよ、プレゼントなんか。」
「で、でも!!」
「いいから。俺は、誕生日の日に先輩と過ごせるだけでうれしいから。」
「っ…」
篠原の言葉はいつもストレートで。
素直で力強くて、優しくて温かくて。
俺の心を簡単に奪っていく。
「じゃ、じゃあ…遊ぼっか。」
「え??」
「せっかく海に来たんだから…。遊ぼう!!」
篠原の腕を引っ張って。
海の中に入っていく。
「つめたっ!!でも、気持ちいいな!!」
「うん。あ、先輩。」
「ん??」
すぽりと。
浮き輪を上からはめられる。
「な、何??」
「危ないから、浮き輪してて。」
「危ないって…。俺、男子高校生なんだけど。」
「でも、心配なので。それに…」
浮き輪に身を乗り出して。
篠原の体重がかかったほうに浮き輪が傾いて、それと同時に俺も傾く。
そして…
「んんっ!?」
唇と唇が重なった。
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