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夏休み-海- 13
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「俺は夕貴のそばにいるだけでいつだってこうやって欲情するんです。」
「なっ!!」
「だって、好きだから。」
「っ…」
「好きな人に触れたい。好きな人と繋がりたい。そう思うのはあたりまえでしょ??」
篠原はふわりと笑って。
すごく優しい笑顔でそう答えた。
「俺、だって…」
「え??」
「俺だって、おまえに欲情する…」
「夕貴…」
「おまえを見ると、いつだってキスしたいって思う。触れたいって思ってる。…し、柊が好き、だから。」
恥ずかしくて、目をぎゅっと瞑って俺も自分の気持ちを伝える。
でも、篠原からの返事は何もなくて…
気持ち悪いって思ったのかな…??
重いって思ったのかな…??
そんなネガティブな気持ちが心を支配していって…
だんだん怖くなって、うっすら目を開ける。
すると、額を浮き輪にくっつけて、俯いていて。
全然顔が見えなかった。
でも、真っ赤に染まった耳だけは唯一見えて。
なんだか、とても柊に触れたくなった。
「し、柊…??」
小さく声をかけて、海で濡れている髪に触れようと、そっと手を伸ばす。
「ずるいですよ…」
すると、俺が触れる前にぽつりと声が聞こえて。
手の動きを止める。
「あ、あの…」
俺が声をかけようとしたとき、俯いていた顔をガバッと上げて。
「ホント、ずるい。」
「え、ッ!?」
柊の髪に触れたくて触れようと伸ばした手。
その手は、結局柊には触れられなくて、行き場を無くしていて。
その手を柊が掴んでグイッと自分の方に引き寄せると、ちゅっと。
小さなリップ音を鳴らしながら、柊の唇と重なった。
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