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素直になれないキモチ 01
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「今日から二学期です。二学期は行事も多く、学期の中でも一番長い学期です。そして、明日からは体育祭に向けての練習が始まります。とても暑い日が続きますが、暑さに負けず、明日からの練習がんばりましょう。」
楽しい夏休みも終わり、8月も終わり。
今日から9月。
二学期です。
9月と言っても、暑さは増す一方。
体育館の中も男ばかりなのもあって、正直蒸し暑い。
生徒会長の話も終わり、ステージから降りて、生徒会が並んでいる席に座る。
それと入れ違うように孝太がステージに上がって、体育祭の説明などを話し始めた。
「去年の体育祭では、3つのグループでしたが、3つのグループでは人数が多すぎて、1人1人の出る種目数が少なく、あんまり出れない生徒も多かったようなので、今年の体育祭は4つのグループに分けることにしました。そのグループ分けですが、生徒会のほうで適当に分けさせてもらいました。」
それから、孝太は1つ1つのグループを発表していく。
「赤軍は1年E組、2年B組、3年A組。
青軍は1年A組、1年B組、2年D組、3年C組。
緑軍は1年D組、2年C組、3年B組、3年E組。
紫軍は1年C組、2年A組、2年E組、3年D組。以上です。」
俺、篠原と一緒なんだ…
俺は、グループ分けのとき他の仕事が入ってたから、参加出来なくて。
だから、俺もグループ分けを聞くのは今日が初めてだった。
孝太が配慮してくれたのか、偶然か。
でも、篠原と一緒の赤軍になれたのは、素直にうれしかった。
孝太がステージから降りてきて、俺の隣に座る。
俺は、孝太の耳元に顔を近づけて、小さな声で「ありがとな。」と言った。
そんな俺になんのことだという顔をする孝太。
「体育祭のグループ分けだよ。」
「あぁ。」
俺の言葉でようやくわかったみたいだ。
孝太は笑顔で「どういたしまして。」と言った。
やっぱり孝太が配慮してくれたみたいだ。
そんなこんなで始業式も終わり、HRも終わり。
あとは帰るだけ。
はるちゃんの話が早く終わったので、俺たちのクラスはたぶん1番早く終わったと思う。
だから、いつも篠原が俺を迎えに来てくれるから、たまには俺からも…。
そう思った俺は篠原のクラスに足を向けた。
すると、廊下を歩いていると、ちょうどHRの終わりを告げるチャイムが鳴り響いて。
それと同時に教室から篠原が飛び出してきた。
「篠原。」
「え、先輩??どうしてここに??」
「いつもおまえから迎えに来てもらってるから、たまにはいいかなって。」
「そっか。」
「うん。」
「あのさ、先輩。」
「ん??」
「体育祭のことなんだけど…」
「何??」
「ありがとう。」
「え??」
「同じ赤軍で…。すっげーうれしかった。ありがとう。」
篠原の言葉に思わず笑みがこぼれる。
それはたぶん…同じ気持ちだってことがわかったから。
篠原も俺と同じ気持ちなんだって感じることができたから。
「な、何笑ってるんですか。」
「なんでもない。でも、お礼なら孝太に言って。」
「え??」
「あのグループ分け考えたの孝太だから。」
「え、孝太先輩が…??」
「うん。」
「そっか。」
「つーか、さっさと帰ろう!!」
「え??」
「今日は、何も予定ないから、その…。おまえの部屋に行きたいし…。」
「はい。」
顔を真っ赤にすると、その真っ赤に染まった頬を篠原が撫でてくれる。
それがとても心地がいい。
そして、その手が下に下がっていって、指に絡まる。
まだ、慣れないけど…
まだ、自信が持てたわけじゃないけど…
まだ、怖いけど…
今日くらい、いいかなって。
そう思って、俺も篠原の指に自分の指を絡めた。
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