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《5》
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恥ずかしくて、途切れ途切れに声を小さくさせながらお願いすると、鼻で笑われた。
「なんだ…ただのキスか。
まぁ、湊だしね。これが精一杯か…
いいよ。早くしなよ」
そう言って那由汰はパッチリ二重の愛らしい瞳を閉じた。
何これ?
や、やべー…緊張する…
でも俺達、恋人同士だし、キ、キスぐらい普通に出来ないとな……
「早くぅ!」
またも那由汰に急かされる。
俺は体を震わせながらゆっくりと、可愛い女みたいなぷっくりした唇に自分の唇を近付けていく。
そっと、触れるだけのキスをしてすぐに那由汰から離れた。
「何今の、キスなの?」
「な、何って!…
キス以外に何があるって言うんだよ!」
「ほんと湊って可愛いよね~…
これぐらいのことでそんなに顔真っ赤にしちゃってさぁ~
仕方ないなぁ。
うぶうぶな湊くんの為に僕が本当のキスを教えてあげるよ」
意地悪そうに口角を上げた後、
突然那由汰が素早く近付き、制服のネクタイを強く引っ張られ、思いっきり前のめりになった。
「おわっっ! ……!」
危ないと思ったのと同時に、さっき感じたあの柔らかい感触が唇に与えられた。
触れ合う2つの唇……
驚いて目を大きく見開いて固まっていると、歯列を割られ口腔を舐め回された。
「んんっ!?
……うんん…ぅ……ん…」
ざらりと擦れ合う舌の感触が気持ちいい。
舌を絡め捕られ、キツく吸われる。
「ふんうぅっ!
…んん…ふぅ……」
吸われる度に身体が疼いて、頭がクラクラしてくる。
思う存分口腔を掻き回した後那由汰は満足したのか、楽しそうに微笑んでから俺の唇を解放した。
「ハア、ハア、ハアハア…」
肩を上下させながら、放心状態になってぽーっと那由汰を見つめる。
「今のが本当のキス。
どうだった? 気持ち良かった?」
「……」
まだ放心状態が続いている俺を見て、那由汰はやれやれと首を振った。
「ヤバいくらい真っ赤な顔しちゃって……相当気持ち良かったみたいだね。
ほらっ!
帰るよ 湊!」
そう笑って俺の手を引いて歩き出してくれる。
その間俺は、
ただただ手を引いて前を歩く彼の後ろ姿を見つめながら、歩くことしか出来なかった。
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