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《13》
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『止めろ、止めてくれ!!
頼むから……野神…お願い』
必死にしがみついて、泣きながら懇願する。
すると俺の顔を見た野神は何を思ったのか、目を大きく見開いた後、何故かとても悲しそうな顔をした。
『何泣いてんだよ?
これぐらいのことで……』
そんな野神の言葉に悲しみを覚えた俺は、素早く野神の胸ぐらを掴み上げた。
『人を殴って傷付けて、なんでそんな酷いことを平気で出来るんだ?
信じられない!!
あんたは残酷な人だ!
ちょっとは人の気持ちに寄り添って、
優しく手を差し伸べてやっても良いんじゃないか!?』
悔しくて、涙が止まってくれなくて泣きながら野神の胸を何度も何度も叩いた。
そんな俺を見て彼は短く溜め息を吐いて、さっきまでの人を見下したような声を柔らかくして、俺の髪を宥めるように少し乱暴に掻き回した。
『…分かったよ。
俺が悪かった』
そう言ってばつが悪そうに立ち去っていった。
これが初めて野神と出会い、会話した
瞬間だった一一一一。
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