アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《23》
-
教室に戻ってからも那由汰は、ずっと笑顔のままだった。
そんな彼の事が気になって、つい授業中でも見つめてしまう。
那由汰は頬杖をついてぼーっと何か考え事をしているような、そんな表情をしていた。
先生に見つからぬよう教科書で顔を隠しながら盗み見する。
那由汰…何考えてんだろ…?
やっぱり俺の事かな?
悠真が無理やりしたからって、やっぱりあれは浮気だって思うよな……
どうしよう、別れるとか言い出さないかな……
那由汰に別れると言われてしまう最悪な想像をしてしまい、自然と顔が青くなる。
ああなったらこうなってしまったらと、頭の中で悲観的な事ばかり考えているうちにあっという間に時間は過ぎていって、午前中の授業が終了し昼休みになった。
もう昼休みか…。
那由汰と一緒にご飯食べたいけど、食べていいのかな?
なんか…駄目な気がする。
クラスメイト達の話し声や、椅子を引きずる音、足音など、いつも気にならないこんな音を聞いて何故か焦っている自分が居る。
那由汰の姿を確認したくても、怖くて顔を上げることが出来ない。
椅子に座ってただ俯いていると、いつもは騒々しい教室が、突然静まり返った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 26