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新学期の朝
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新学期、皆胸をワクワクさせる時期。
高校三年生になった俺は、ウキウキ胸を踊らせて教室に足を踏み入れる。
3年C組、俺が配属されたクラスだ。
すると、トンと誰かとぶつかる。
人の気配が全く無かったから、思いきり油断していた。
俺が、
「……す、すみません」
と謝るが、ぶつかった相手は俺をムッと見上げる。
そいつは俺の胸の辺りに顔が来る感じのチビで、無愛想だがなかなか整った顔をしていて……。
もう少し愛想が良ければ友達になりたいと思っていただろう。
が、そいつは黙って立ち去ろうとしている。
「……ちょっと?」
「……………」
俺が声を掛けても無言だ。
そこで、そいつの肩に手を乗せて強引に引き寄せる。
そいつはそっぽ向いた。
「なんか言うことあるんじゃないの?」
「…………」
人間悪いことをしたら謝るものだ!
小さい頃、よくじいさんに叱られていたから余計に腹が立つ。
いっそのこと、あのカミナリじいさんに叱られてこいよこいつぅ。
「……ごめん」
俺の感じている邪気を感じ取ったのか、早く俺から逃れたいと思ったのか。
(個人的にはどちらとも嫌だな)
呆気ない程あっさり頭を下げるそいつ。
そいつは謝った後に俺を睨み付ける。
「早く離して、ね?」
……後者だったか。
その態度にカチンと来ながらも、手を離す。
「これからよろしくお願いしますよぉ、君」
精一杯睨み返しながら。
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