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The last days-004※R-15
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俺が騎士団を追われてからの話、だな。
騎士団を追われて、暫く荒れた生活してたのは言っただろ?その頃はまあ、ひでえもんだったよ。飲んだくれては路地裏で眠って、傭兵仕事で暴れて金もらってまた飲んだくれて。路地裏で眠ってりゃ、懐の金を取られたこともちょいちょいあったな。
それに、犯されもした。快感も痛みも感じなかったから、ヘタクソって嗤ってやってよ。そんでも懲りないんだから救いようがねぇよな。
ま、幸い得物を取られなかったからなんとかなってたけどよ。
ともかく、荒れた生活してたけど、身体は壊さなかったな。風邪引いたりとか…。偶然か、俺がバケモノだからかは、わからねぇけど。
たまたまそんとき、燮の居場所の情報を掴んだんだ。逃げ出したあいつを、嘲笑ってやるつもりだった。
けど、あいつはもう、反乱軍に協力してて……仲間がいたんだ。特にべったりくっついてる眼帯の、男か女かもわかんねぇような奴が俺の癪に障った。
そいつがクロエだったんだよ。なんかヘラヘラしてて、すっげぇ腹立って、……俺はクロエを誘い出して、強姦、した。慣れた、完全な調教済み奴隷だったのには驚いたけどな。
クロエには、録音したものを燮に突きつけられたくなければこのまま関係を続けようぜって、脅したんだ。ま、それはすぐに燮に渡してやったんだけどな。……ほんと、最低だよな、俺。
それからは、たまにクロエを呼び出しては強引に関係続けてよ。たまに燮も犯してた。クロエの奴を調教師に預けたこともあったけど、あいつ、拒否しねぇし、どんなことでも受け入れていい声で鳴いた。なんだか、あいつを抱いてるとどこか安心したんだよな。こいつは俺を拒否しねぇ、ってよ……。
路地裏生活は相変わらず、続けてた。なんかよくわからねぇガキに、部屋を貰ったんだけどよ、一人の部屋って冷たくて淋しくて、どうしてもいる気になれなかったし。路地裏で眠ってれば、いつか冬の寒い日に、死ねるんじゃ、ねぇかって……。生きてるのが、苦痛で……。
そんなとこを、クロエに見られたんだよ。あいつ、そんな俺になんて言ったと思う?
『トールさんには寄る木が必要で、私がなりますから。もう、一人じゃないですから』って……あの、馬鹿は、っ、俺があんなに酷ぇことしたってのに、燮が世界の全てだってのに、それを放り出して、俺の寄る木になって、くれたんだ……。
ボロボロと涙を零し泣くトールの背は、普段より随分、小さく見えた。震えるその背をラフルは優しく撫でる。
ラフルはクロエに、嫉妬心を抱いていた。自分の知らないトールを知っている。その事実は、ラフルの中の焔を燃やすに十分なものだった。そしてその後に自己嫌悪に陥り、後悔するのだが。
……クロエは、トールが信頼し、大切にするだけの人間だ。実際にクロエと話し、トールの告白を聞いて、そう思う。頭では理解できても、感情では納得できていない。嫉妬心とは、きっとそんなものだ。この燃え上がる感情が、いつか何かにぶつからないかと、ラフルは密かに恐怖している。
そんなことはおくびにも出さず、ラフルはただトールの話を聞いていた。
鼻をすすり、トールは続ける。
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