アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
165.✩アドバイス
-
✩✩✩✩
一日中ずっと考えていたけど結局何も思いつかなかった。浮かない顔をしていたから大和や藤野たちにも心配をかけてしまって、ほんと自分が情けない。ちなみに藤野も大和と同じで、俺と楓さんの関係に薄々気づいていたらしい。こんな簡単にバレてしまっても大丈夫なのかと心配になったけど、柚里が大丈夫と言っていたから大丈夫なのだろう。
楓さんの喜びそうなことを試してみようかとも思ったけど、楓さんのことだから俺の考えなんか見透かすに違いない。そもそもこれって喧嘩っていえるのか……?
このまま家に帰っても楓さんと仲直りできる気がしなくて、帰る前にもう一度柚里にアドバイスをもらおうと大学近くのカフェに来た。
ここのカフェは前の俺がバイトしていた所らしい。
大和の姿を探したけど、今日はシフトが入っていないのかホール担当じゃないのか見当たらなかった。
「うう………どうしよう……」
「まだ言ってるの?もういっそのこと、体差し出しちゃいなさいよ」
「わあぁ!柚里何言ってるの!今回の目標は『流されない』なんだよ!」
「それじゃまるで、『いつもは流されてる』みたいに聞こえるじゃないの……」
柚里の言葉に慌てるもまったくもってその通りだから何も言い返せないでいると、柚里は目をぱちくりさせて「本当なのね……」とため息をついた。
というか、柚里の中での俺は挿れられる側なんだ……。間違ってないし、まさか楓さん相手に俺が上になれるとは思ってないけど、ちょっと…男としてへこむな……。
「そ、そんなことより、他にいい方法ないかな?流されないような方法!」
「いい方法ねえ……。やっぱり楓といちゃつくしかないんじゃないかしら?あ、桜さんの前でなら流されないんじゃないかしら」
「それは……その……恥ずかしい、です」
「はあ?何言ってるの?だってあなた、桜さんとは楓の前でいちゃついてるんでしょう?そんなことしてるから楓の機嫌が悪くなるのよ」
確かに柚里の言った方法なら楓さんと話せるし、あらかじめ釘を刺しておけば桜さんに邪魔されない方法を考えなくて済む。
柚里は反論できない俺を見て持っていたカップを置くと、満足そうににっこりと笑った。
「とにかく、帰ったら一番最初に楓に甘えなさい。そして思ってることをちゃんと話すのよ。いい?」
「…………はい」
柚里が甘えた方がいいと言うならそうなんだろう。
釘を刺された以上、実行しないと柚里に怒られそうだから頑張ってみよう……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
165 / 322