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186.✩高瀬さん
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✩✩✩✩
学校帰り、俺は大和に連れられてカフェに来ていた。大和と前の俺がバイトしていた所で、昼間はカフェとして営業し夜はバーになるらしい。
大和は今日はシフトが入っていないらしくて、こうやって客として俺を連れてきてくれた。
「いい感じの店だろ?店長も優しいしテスト前とかは休みくれるし、学生にはこの上ないんじゃないかな」
「うん、すごくいい雰囲気。店長さんが楓さんの知り合いらしいから、そのへんも安心だしね。他の店員さんも仲良さそうだし、バイトするの楽しみだな〜」
「平坂さんの条件聞いた時はそんなとこあるかよ、って思ったけど。なるほどね、そういうわけか」
楓さんから言われた条件を思い出して肩を竦めると、大和は苦笑いをして何かに気づいたように俺の後ろに視線を移した。
「やあ、大和。友達連れてきてくれたの?」
「あ、高瀬さん!和泉連れてきたんです。ほら、またバイトしたいって話ししといたでしょ。和泉、この人が店長の高瀬さん」
「えっ、和泉くん?わぁっ、ほんとだ!和泉くんだ!久しぶりだね〜!」
高瀬さんと呼ばれた男の人は見るからに優しそうで物腰の柔らかそうな人だった。髪を明るい色に染めていて、白シャツにギャルソンエプロンがすごく似合ってる。楓さんとはまた違った感じのスタイリッシュなイケメンだ。
高瀬さんは俺の手を取るとぶんぶん縦に振った。
「こ、こんにちは……」
「また俺のお店で働きたいって言ってくれたんだってね?すごく嬉しいよ〜!」
「もー、高瀬さん。そんなぐいぐいいくと和泉が困っちゃいますよ?」
「あ、ごめん!久しぶりの和泉くんだったからつい〜」
どう接すればいいのか戸惑っていると大和が助け舟を出してくれた。
俺の手を握っていた手はすぐに移動して、今はさわさわと俺の髪を撫でている。なんだろう……スキンシップが好きな人なのかな……?別に嫌ってわけじゃないんだけど……ちょっと恥ずかしい。
「和泉くんは真面目に働いてくれるからね〜。戻って来てくれてほんとに嬉しいよ!一応形だけでも面接しなきゃなんだけど……。そうそう、いつくらいからシフト入ってもらえる?あ、これも楓に相談した方がいいのかな?」
「えっと……はい、できればそれで……お願いします」
「わ〜、礼儀正しい和泉くんってなんだか新鮮だね〜!これはこれで可愛いかも!」
「ありがとうございます……?」
スキンシップは多いけど悪い人じゃなさそうだし、何より楓さんの知り合いだ。前の俺を知ってるのか店員さんもたまに目が合うと手を振ってくれるし、居心地がいいお店で働けることになって良かった。
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