アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
決意
-
土曜日はとても素敵な朝だった。田辺からお粥を食べさせてもらったり、二人で他愛もない話をしたりした。お陰で俺の熱も下がった。
日曜日。
昨日とは違って、目覚めるとそこは自分のベッドで。誰もいない部屋だった。今日の田辺は朝~昼と昼~夕方までアルバイトがある。
「つまんねー。」
もう一度布団の中に沈み込む。
”今まで不安にさせてごめん。”
”不安にならないで、大丈夫だよ。”
”俺は真澄といる時間が幸せ。真澄は?”
昨日アイツが言った言葉が頭の中で駆け巡る。
ぐるぐると、ぐるぐると。
「ああもう! 何なんだよアイツは! 人をその気にさせといて、本当によく分かんねー奴!」
俺は行き場のない感情を枕にぶつける。ぽふっと音がしただけで、何も起こらない。起こるはずもない。そのまま、枕に顔を埋める。
いい加減、俺のことを好きって言えよ。どうしていつも言ってくれないんだよ。何が「不安にならないで大丈夫だよ。」だ。不安になんだろうが、ばーか。
思い浮かぶのは、アンタの笑顔、アンタの優しい声。
そして時たま見せてくれる真剣な眼差し。
俺はアンタの全部が好き。
不抜けてるくせにどこかしっかりしているところも、実は俺よりも料理がうまいのに隠している優しさも、全部好き。
両想いなのか、言葉にしてくれないと満足できない。安心できない。
明日、田辺は一日授業がない日だ。でも、俺は1限~5限きっちり入れてしまっている。火曜日は、俺たちは違う授業だけれども同じ3限。だから、行きはアンタに会う。また、アンタが俺の部屋の玄関前で待ってくれていたら、どんなに嬉しいだろうか。
そうだ、もう一度。
もう一度、アンタに告白しよう。
そんなことを永遠と考えながら、俺は再び目を瞑るのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 40