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番外編 4 (バレンタインデー)
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とある日曜日、自分の部屋でテレビを見ている時だった……
”皆さん、そろそろあの季節が近づいてきましたね! 今日は彼氏が彼女に求めるバレンタインのプレゼントランキングを紹介しまーす!”
元気ハツラツにアナウンスをしているお姉さん。この番組は俺の情報収集源の一つだ。今日もなんとなしにつけていたが、正解だった。俺は焼いていたトーストをかじってテレビの画面を夢中で見つめた。
田辺……あ、淳也も……やっぱりバレンタインとか気にしているんだろうか。俺たちは恋人な訳だし、気には……しているよな?
”それでは紹介します! 第3位は~”
テレビにデカデカと表示されたのは『手作りチョコ』の文字。
「嘘だろ?! 3位なのか?! 普通1位だろ!!」
ぎょっとして食い入るように続きを見た。
”次に~第2位はっ!”
『高級ブランド』
「はぁ?!」
テレビでインタビューを受けている男はこう言っていた。
”俺、甘いもの苦手なんで。だったら物がいいなって。高級ブランド品だったら絶対大切に使います。”
なんということだ! バレンタイン=チョコという考えは今時古いのか?!
”さーて、気になる第1位は~”
『高級チョコ』
”手作りは当たり外れがあるけど、売ってあるものは上手い。”
”彼女が忙しそうだから、売ってあるもので。でも、高級チョコだと本命なんだなって気がして嬉しいですよね。美味しいですし。”
等と男たちは語っていた。
この番組によって、俺のバレンタインの定義は大きく覆されてしまった。
「どうしよう……。」
俺が手作りチョコ作っても、アイツよりうまく作る自信ないし……。かと言って、高級ブランド品買えるほどお金は持ってねーし……。
「あああああ! ここは男は黙って手作りチョコで!!!」
「いや、やっぱり……」
一人食べかけのトーストを皿の上に置き去りにして悶える。
そして閃いた。
「そうだ! 本人に直接聞こう!」
そうして俺は、アイツのバイトが終わるまでそわそわしながら部屋で過ごすことに決めたのだった。
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