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1.人を好きになる基準-3
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意識だけは保つ事を忘れず、泣くのもグッと堪え、男が満足するのを待つ。
そして、やっとその時が来た。
「はー、気持ち良かった。最高だよ、あんた」
「……」
男は治まった熱をズルッと抜き、ティッシュで事後処理をし始める。
三善の身体は昨日の疲れも出て、ベッドから起き上がれず、男が帰るのを待った。
「あー、なんか勿体ねーな。この身体をもう味わえないって思うと」
男は三善の華奢な身体を触り、そう言う。
「でも、あんたも変わってるよな。なんで片想い中の男しか興味ねーんだ? 普通、そんな人間論外だろ? まぁ、そう言う所を狙うと直ぐに身体を繋げられるからってのもあるんだろうけど……」
男の言葉は少しだけ当たっていた。
でも、その言葉に返答はしなかった。
「なぁ、あんたの連絡先教えろよ。もしかしたら、次があるかもしれないだろ?」
男はそう言うと、携帯を取り出した、こっちに向ける。
「悪いんだけど、僕携帯持ってないんだよね」
「はぁ? 持ってないわけねーだろ」
「ないんだよ、本当に。会社の奴で充分だから不便じゃないの」
本当は、私的用のがある。
でもこれは、日頃触れる事すらしないほど、使っていなかった。
それに、この携帯の番号を知っているのは二人だけ。
自分から連絡しなければ音が鳴る事はない。
「ふーん。じゃ、買ったらこれ登録しといて」
男はそう言うと、ホテルに備え付けてある紙とペンで自身の携帯番号と、アドレスを書き始める。
そして、それを机の上に置いた。
「気が向いたらね……」
なんて言ってみたり。
「ふ、期待しとくぜ。じゃ、またなぁー」
男は俯せになっていた三善の背中にチュッとキスをすると、満足気にホテルの部屋を出た。
その瞬間、どっと疲れが増す。
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