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1.人を好きになる基準-5
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「あー、クソッ! なにやってるんだ僕は……」
何をやっているのか、自分でも分からない。
何をしたいのかも分からない。
けれど、こうなってしまった理由は自分自身で分かっている。
「そんなに…好きだったのかよ……あの子の事……」
年下で、アイドルのリーダーをしていて、自分の感情をあまり顔に出さず、己の想いをぐっと堪えていた男。
ーーー冬椰壱成(トウヤ イッセイ)
「ハッ、まさか、僕が本気だったわけ?
なわけがないじゃん…あんなまだ子供……」
顔も、声も、性格も、全て好みだった。
それに、相手に対しての熱い想いも、それに対しての葛藤も、三善にとってとても惹かれる物を備えていた。
それに、懐かしい物を持っていた。
だから、久しぶりにあんな夢を見たのだと思う。
「……あんな顔、僕には見せてくれなかった」
打ち上げは、とあるドラマの撮影が終わっての物だった。
BL物の実写映画からのドラマ化。
その撮影終了の打ち上げだった。
本当は、スタイリストの三善は参加しなくても良かった。
でも、彼に会いたくて行ってしまった。
「参加しなければ良かった……」
その光景を見なくて済んだから。
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