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4.壁ドンからの優しいキス-5
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数分、そのままの体勢が続いた。
夏は何も言わず、ただ、ずっと三善を見ている。
その熱い視線に、三善は気付いていながらも、声が掛けられない。
三善は緊張していたのだ。
この状況に。
(ど…どうしたんだろ……僕……)
いつもの自分なら、こんなの普通に交わせる。
笑って、おネェ言葉で軽くあしらい、逃げ出す。
なのに、なぜだろう。
声すら出ない。
「三善さんッ」
「え……? なっ……ンッ」
突然、名前を呼ばれた。
それに反応し、「なに?」っと答えようとした。
けれど、顔を上げた瞬間、夏が腰を屈むのが見え、唇にプニッとした温かい物が当たった。
それは、夏の唇だった。
(え……?)
キスをされている。
子供がするような充がうだけのキス。
でも、そのキスは今までされた物に比べ、遥かに優しいキスだった。
「ンッ……んっ」
合わさる唇から、夏の心音が聞こえるような気がした。
でもそれは、もしかしたら三善の物かもしれない。
(なんでだろう……どきどきする……)
こんな子供みたいなキスなのに、ディープなキスをしている感覚に陥る。
今までのキスは、もっと深くて舌を絡めたりする物で、三善の意思なんて御構い無しに自由に動いていた。
でも今は、舌の絡みなんてなくて、ただ、唇と唇が合わさっているだけの状態。
それなのに、今まで味わった事のない気持ちが溢れる。
三善は夏が着ているシャツをぎゅっと握り、無意識に目を瞑っていた。
このキスがずっと続けばいい。そんな事を思いながら。
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