アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
14.愛される事への喜び-2
-
控え室に先に戻った夏は、グッタリと椅子に座っていた。
その後に直ぐに続いた三善は、夏の疲れきった姿を見て、直ぐに部屋の中に準備してあるペットボトルのお茶を差し出す。
「お疲れ様」
「ありがとうございます……」
さっきまで撮影で、今まで使った事がないくらいの集中力を使ったからか、夏の顔はげっそりとしていた。
それもそうだ。
退院してまだ二週間も経ってはいない。
その間に、溜まった仕事を全て熟すのだから、疲れていても仕方ない。
「今日の演技、一番上手くいってたんじゃない? すごくドキドキした」
夏なのに、夏には見えなかった。
それくらい、その役にハマっていた。
このドラマ、絶対にヒットする。
そう思わせてくれるほど、いい演技だった。
「マジっすか! 三善さんにそう言われると、スゲー嬉しいっす!」
三善が夏の頭を撫でながらそう言うと、さっきまでグッタリとしていた姿は何処へやら、夏は目を輝かせて三善を見詰めた。
「もーう、社長鬼だからこの二週間すっげー忙しくて、セリフも昨日頭に叩き込んだんすよ……。間違ったらヤバイって思うと人間、やればできるもんすね」
なんて言って、ハハハッと笑う夏だけれど、やはり疲れているせいか、その笑みにいつもの元気はない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 192