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14.愛される事への喜び-3
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夏の疲れた様子をどうにかしたいと思うのに、何もできない事を恨めしく思う三善に、夏がこう言った。
「ここまで頑張れるのは三善さんのお陰っす」
「え? 僕? 僕は何もしてないでしょ」
ただ、側で夏の服をスタイリングしているだけ。
着崩れしたら直す。
自分が選んだ服を着てもらう。
ただ、それだけしかしていない。
だから、夏の意味が分からない。
「してます。こうやって……」
「え? あっ、ちょっ……」
急に腰に手を回され、ぐいっと夏の方に身体を寄せられた。
そして、夏が三善のお腹に頭を付ける。
「三善さんの側にいられるって思うから……今のキツイスケジュールも苦に思えない。普通なら、無理っすよ……こんなギチギチな予定……」
確かに、夏の言う事は正しい。
普通なら、こんなビッシリなスケジュールを見ただけで逃げ出すだろう。
しかも、退院したばかりの身体。
休む時間も与えてあげたい。
けれど、入院していた事で周りの人間に影響が出たのも事実で、それを埋める事は夏しかできないのも事実。
三善は何もできない。
「そうだね……。でも、ドラマは終わったから、少しは余裕できるんじゃない?」
ドラマが終われば、台本を覚える事をしなかていい。
それは、夏にとっては嬉しい事だと思う。
けれど、夏は少し不服そうだ。
「夏……?」
「余裕なんてないっす。俺、明日の夜からCMの撮影で海外だし…ドラマ終わったから…三善さんと会えなくなるし……」
それを聞き、確かにそうだと三善は思った。
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