アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
鳴り響く音で目を覚ました。枕元に置いていた携帯が着信を知らせている。慌てて通話ボタンを押す。
「はい。」
「すごい声だな、大丈夫か?」
相手も確認せず出てしまい、その相手がまさか彼だとは思わず驚き携帯を床に落としそうになってしまった。
「大丈夫、寝てれば治るから。」
「病院へ行ってないのか?もう夕方だぞ。」
部屋の時計を見ると、もう六時を過ぎていた。
「ずっと寝ていたのか?薬は?」
「あ、うん。飲んだよ。」
飲んでいなかったけれど、嘘を吐いた。
「今、実はお前の家の前なんだ。」
飛び起き玄関を見ると、数回ドアをノックする音が聞こえた。少し足元がふらついたけれど、急いで玄関に向かい鍵を開けドアを開いた。
「ドアに掛けておこうかとも思ったんだけど、やっぱり心配で、顔が見たくて。」
僕を心配してくれた。その事を申し訳ないと思いながらも、本当は嬉しくて堪らない。
「少し上がってもいいか?薬とか飲みものとか色々買って来た。」
うつしてしまうからとさすがに断ったけれど、看病させて欲しいと言われ断り切れなかった。
彼は僕をベッドへ寝かすと、少しでも何か食べた方がいいとおかゆを作ってくれたり、着替えを用意してくれたりと、言葉通り慣れた手付きで看病してくれた。
「はい、薬飲んでないんだろう?」
錠剤とコップに入った水を渡される。
「…気付いてたの?」
彼は少し顔をしかめた後、ベッドの横に座った。
「当たり前だろう、恋人なんだから。お前が嘘を吐いてるって直ぐに分かったよ。」
彼は僕が思っているよりも、僕を見てくれているのかもしれない。そうだ、恋人なんだから、僕はごめんと謝りながらも喜びを抑える事が出来なかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 10