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苦手な同級生 拓真目線
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吉見蒼は、高校の時からあんまり目立たない奴だった。
大きめで丸っこい目と、身長の割に細い体ではあったけど見た目も性格も特徴があるわけじゃない。
人からからかわれる事が多く、よく笑うので友人も多い方だと思う。
俺以外は
吉見はよく俺を睨んでいた
嫌われてるなぁと思うけど話すと普通で、よくわからない。
だから今日はかなり珍しかった。
「俺は理由なく別れぇたわけじゃなくてぇ」
目の下を真っ赤にして訴える姿に、驚いた
「俺だって…」
朝日の奴らに否定されて、納得できてなかったのか、まるで俺に分かって欲しそうに話す。
適度に返事をしながら
大きな目が潤んでいくのが分かった。
なにこいつ、面白い
当たり障りなく生きている吉見が、こうやって感情をあらわにして。
しかもその原因が燃えるような恋愛がしたいからだなんて
面白い
こいつをいじったら面白いかも
俺の悪い癖であり
自分でも良くないと分かってる
吉見は本気でそう言ってるのも分かってるけど。
本当に燃えるような恋愛があるか、こいつのそばで見てみたら面白いかも。
なーんて最低な事を思って…
最低な提案をした。
すぐに目がまん丸と見開き、怒ったように唇が震えた
あれ?なんかこの顔、もっともっとさせたいかも
「帰るっ!」
ふらりと細っこい体が揺れて、思わず手で支えた。
腕の中にすっぽり入る大きさ
少し震える肩と無防備なうなじ
やばい。こいつ…
酒のせいか提案のせいかわからないけど赤く染まる耳に
そっと囁く
すると、赤い耳がますます赤く赤くなる
最初はその気のある男友達を紹介してみようかと思ってた。
なのに
俺は自分でも驚く提案をしてた
あとはご存知の通り
顎に一発もらい、舌を少し噛んだ
「くっ。あはははっ!」
いつも平坦な同級生の心を掻き乱して、なぜか俺は満足してた。
それと同時に、別の感情が湧き上がる
「吉見…蒼…」
久しぶりに興味を持った。
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