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共同作業3
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散々笑ってると、拓真が背後に回ってきて体を包み込まれる。
「っ!な、なな」
「包丁の持ち方が違うから、こうな」
手を重ね合わされて、握り方を教えられる。
「テーブルとの間に拳一個分、そう。包丁持つ側の足を少し後ろに下げて」
言われた通りにする
というか、それしかできない
後ろに拓真の体温、耳元で囁かれる真剣な声
うるさい心臓
気にしないようにすると、どんどん気になってくる。
「蒼。」
伸びてきた手が、顎を掴む
上を向かされて無理な体勢のまま、拓真の顔が近づいてくる。
触れるだけの、優しいキス
でも、長く触れていて、離されることはない
このまま時間が止まってしまえばいいのに
時間の存在しない世界で、生きれたらいいのに
「あのー…」
その声に慌てて唇を離す
「ひ、日白さん!あの、これ、あの…ちが、えっと、切れなくて!野菜が!」
日白さんは厨房の入り口でくすくす笑う。
「ごめんね、邪魔して」
「あ、あの、違くて!俺たち、その」
「あの時の仕返しですか?」
なんで、拓真は冷静なんだよ!!
知られちゃったじゃん!
ん?仕返し?
「昔ね、慈恩との邪魔されてね」
「へー…って違う!!やっぱり日白さん、慈恩さんと付き合って…むっ!」
「はい、そこまでー。お互い詮索なしでしょ」
拓真が俺の口を手で塞ぐ。
「えー!僕はいいのにぃ。蒼くんとのこと、話して欲しいなぁ」
「いやです。」
「じゃあ、蒼くんに聞くからいいよ?ね、蒼くん」
「蒼、言ったら泣かす」
なんでこう、俺の周りには押しが強い人ばかりなんでしょう。
「ノーコメントです…」
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