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我慢しないで3
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「並木君が好きなんだね」
「っ!」
「いいんだよ、言って。前言ったよね?好きって気持ちは溢れてきてしまうものだって」
包まれた手が暖かい。
「並木君が好きなんだよね?」
「ーー…は、い。す、好き。好きです。大好きなんです。」
誰かに聞いてもらったのは初めてかもしれない。そして素直にここまで好きと言ったのも久しぶりな気がした。
「すみません。すみません。」
同時に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。だって俺が勝手に好きになって、それで迷惑をかけてるから。
「謝らなくていいんだよ。蒼くん」
頬に手が触れる
「蒼くんの好きっていう気持ちは、君の中の大事なものなんだよ。」
「日白さん」
「だからね、その気持ちを蔑んだり、否定したり、抑えたりしないであげよう」
「っでも!」
「大事で、とても繊細なものだから。君が大切にしてあげないと、ただの辛い思いになってしまうよ」
「でも、拓真にとったらこんなの、迷惑なんですよ?」
「だからって、気持ちを抑えることはしちゃいけない。
隠さないといけないなら、隠すだけで十分。
抑えて気持ちを殺すようなことをしていたら、いつか君が壊れてしまうよ。」
好きという気持ちを隠して、それでも好きという気持ちを抑えないなんて難しい
「難しいですよ」
素直にそう言えば、日白さんは笑った
「恋愛は簡単なものだと思ってた?」
「うっ!」
「苦しくて悲しくて、でも楽しくて嬉しい。感情を揺さぶられて、嫌になるくらいドキドキしてさ。うんざりするのにまた同じこと繰り返す。そう、思わない?」
「…はい。」
そうか。誰だって難しいんだ。
難しいから、楽しいのかもな
「俺。もう少し、頑張ります。」
届かない思いでも
それでも、拓真を好きでいたい。
本当は伝えたいんだ。
この思いを…
「うん。いい子、なんかあったら言ってね。並木君を鍋に突っ込んであげる」
「そ、それは危険です!!」
「えー。楽しいと思うよー?」
日白さん、意外とブラックだ。
でも
なんだか気持ちが楽になった。
好きでいていいと思えたからかな
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