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-Short Short- THE BASEKETBALL WHICH KUROKO PLAYS
オンナノコアツカイ -黄笠&火黒-
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成績を上げねば。
らしくもない事を思い、海常バスケ部の大型犬もとい黄瀬涼太は、マジバで一人参考書とノートを広げていた。
「なんスか、このワケわかんない記号は…?」
と、数学を諦めて古文に手を出したのは5分前だが、そろそろこちらにも音を上げそうである。1000年も前の文章に、興味なんてあったものじゃない。
夢中になれないものには、とことん関心のない彼がなぜ勉強しているのか。その答えは、先日、女の子たちから聞いてしまったウワサに触発されたからだった。
「スポーツ推薦で入っても成績不振が目に余る生徒はレギュラーから外されるんだってー」と。ま、あまりにヤバかったらダケドね~とその子は言っていたが、その「ヤバい」に黄瀬は入っているのかもしれないのだ。
要は、彼の大好きなバスケのためである。
(それに…)
「笠松センパイに心配掛けたくないってのもあるっスけど」
慕っている先輩はバスケと同じくらい大切らしい。
「にしても古文もイミわかんないし。これホントに日本語っスよねー?」
「ええ、日本語ですよ。ちゃんと仮名表記になってるじゃないですか。」
「はぁ、…って、黒子っち!?」
「お久しぶりです、黄瀬くん。...なんだかこのシチュエーション、既視感ありますね。」
「そうっスか?黒子っちは何しにココへ?」
「特には。というか、ここのマジバは僕の通い付けですから。」
ここのバニラシェイク好きなんです、と何度言ったのか分からない黒子は拗ねたように違う台詞で返した。
「そういう黄瀬くんはお勉強ですか、えらいですね。明日は雹でも降るのでしょうか。」
「ちょ、黒子っちヒドッ!!いや~、成績悪くてレギュラー外されたら困るなと思って…」
「黄瀬くんらしいですね」
「今日はまた随分キゲン悪いっスね~、何かありました?」
黙秘権を行使するべく、沈黙を通そうとしたとき。
「あ、それより!良かったら古文教えてくださいっス、黒子っち国語トクイでしょ」
火神くんと喧嘩したんです、だなんて言えない今、黄瀬の申し出は話を反らすのにちょうどいい。
「いいですよ。単元はなんですか?」
「マジっスか、いや~分からなさすぎて困ってたんで助かるっス」
と教える事にしたのは良いのだが、なんせ黄瀬の頭にはネジが数本足りないのだろう。さっぱり理解してくれないので、集中も切れてきた頃だった。
「でもホント、なんだか読み込んでるっつーか、教え慣れてるっスね」
「2度目ですから、前に火神く...あ。いえ、なんでもないです。」
「彼氏さんとケンカしたってトコっスか...」
「え、っ違います!別に付き合ってるわけじゃなくてですね...」
ここで口籠るあたり、やはり図星なのだろう。
「ああ~、オレ男同士だとか偏見ないっつーか、人のこと言えない立場なんで」
一瞬遅れて、黒子が理解した。
「笠松さんですか。なるほど君が勉強しているのも、それで納得できます。心配でもされているのでしょう。」
「正確には、掛けたくない、ですけどね」
「で、なんでケンカしたんっスか?オレで良ければ相談のるっスよ」
「それは...」と黒子はばつが悪そうに、目をそらしてしまった。
「黄瀬くんには関係ないです」モゴモゴ。
そして、何故か赤面しながら。こんな反応を返すものだから、内容が気になってしまう。黒子にしては珍しい表情なので、余計に。
「ほ、ほら古文の続きしますよ。ただでさえ飲み込みが遅いんですから頑張ってください」
「イヤっス、せめてケンカの理由くらい教えてくれてもいいじゃないっスか!」
「せっかく相談にのってあげるって言ってるのにぃ~!話はそれから!」
はぁ、と黒子はため息をつき、
「じゃあ話したら古文再開すると約束してください」
お安いご用だと黄瀬にコンマ一秒で約束された黒子は、コホンと咳払いをしてから、こう切り出した。
「僕が...つかいしてくる火神くんに文句を言っただけです」モゴ。
「っ?"僕が"の後、なんて言ったんスか?」
『だから、火神くんが女の子扱いするのがわるいんですっ!!』
「うわわ!ちょ、黒子っち、ココ店内、ビー・クワイエット!」
「大体なんなんです、今どき男子高校生にお姫様だっこなんてするもんなんですか!?あと、手の甲にキスしながら"I love you,my sweet."とか次やったら鳩尾イグナイトしますよ。せめてdarlingにしてくれませんかね」
黄瀬の呼びかけむなしく、黒子はぷりぷり怒りながら文句を並べる。
あと、今どきでなくとも男子にお姫様だっこはしないし、いくらなんでもその台詞はクサい。映画の観すぎである。
「というか、黒子っちノロケやめて!」
「ノロケなんてしてません!!」
「でもまあ、なんだかんだで愛されてるじゃないっスか」
「…そうでしょうか、僕が嫌がっているのですから止めるのが筋だと思いますよ」
「火神っちなりに、どうやって特別扱いするのか考えたんでは?」
「そんなものなんですか?」
「それなら、…まあ、許してあげない事もないですが…」
相変わらず、照れてそっぽを向いて言う姿には、そこらにいる女の子より魅力があるのだから火神の気持ちはわからないでもないのだ。俗に言う、"罪な可愛さ"である。
「早めに仲直りしてくださいっス、そんな理由ですれ違うのもなんだし」
「それなら、必要ないです。僕が怒っているのを照れているんだと勘違いしてたので」
(そりゃああなるワケだ)
「思ったんスけど、女の子扱いされるってそんなにイヤなんスねー」
すると途端に目を変えた黒子が恨めしそうに見上げてくるので、やめてほしい。
「逆に想像してみてくださいよ、されるところ」
「あはは、それはありえないっス!そもそもセンパイ、女の子ニガテなんで」「あ、でも…」
この時、悪寒がしたのは言うまでもない。
「オレがするのは大歓迎っスね!」
「笠松さんに謝らなければ」
「そんな、なんで!?だっこされて照れるセンパイ、絶対カワイイっス」
「な、それなら火神くんのカッコ良さも負けてません!この前なんて…」
と、当初の目的をすっかり忘れてお互い恋人の可愛さ(カッコ良さ)について、日が暮れるまで語っていたそうだ。
***********
キセちゃん&黒子っちに、CP要素ナシで絡んでほしかったんです
あと赤面する黒子の実現ですねはい
多分キャラ崩壊については、これ以上できないかな
読んでくれた方々に最大限の感謝を。 Thanks for reading.
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