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瞳
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その、怖いほど透き通った薄茶色の瞳が俺をまっすぐ見つめている。
「は、離せよ、巽」
2年ぶりの会話がこれかよ。
笑えるな。
黙ったままこちらをじっと見つめる瞳を見つめ返す。
こんな時、先に目をそらすのは決まって俺の方だ。
顔が熱くなって行くのがわかる。
弱いのだ、この瞳に。
昔から、ずっと。
思わず顔を背けた。
沈黙が痛い。
「すみません、俺のことを知っているんですか」
聞き慣れた、明瞭で深みのあるテノール。
………………は??
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