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記憶
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…なんだよそれ?
ふざけてんのか?
「おい、ふざけんなよ」
思わず顔をあげる。
そこには昔と変わらない真剣な瞳があった。
「…う、嘘だろ」
疲れた様子で笑ったその顔に訳もなく心臓の下あたりがぎゅっと苦しくなる。
「名前は覚えてるんだよな?」
「紀田、巽」
「俺のことは?」
「すみません」
忘れられたという事実が重く、胸の奥底へ沈んでいくのがわかった。
忘れられてたっていいじゃないか。
それだけの存在だったってことだ。
とりあえず。
佐々木さん呼ばないとな。
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