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影響
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「それ、俺のせいか?」
違う。絶対に違う。
ただの八つ当たりだ。
急に恥ずかしくなった。
「ごっ、ごめん」
「べつにいいけど」
同級生と久しぶりにした会話が嬉しくて、もっと話したいと思った。
「きっ、紀田くんは部活はいるの?」
「いや、めんどくせー」
「そっ、そうなんだ」
続かない。
1人焦る。
「ははっ」
なぜか笑われた。
わけがわからずに顔を見る。
何もかも見透かされそうだ、とその瞳を初めて正面から見て感じた。
「お前、本当は相当、気が強いだろ。そのくせ人見知りだから近寄りがたい空気だしてんだよな」
「そっそんなこと、」
お前みたいにクラスの中心になるようなやつに俺のことなんてわからないだろという言葉を飲み込む。
「あるよ、今日も朝からずっと睨まれてるから言いたいことあるなら言えよって思ってた」
「えっ、あ、ごめん!」
その日から少しずつ話すようになった。
俺の口が悪くなったのは少なからずこいつの影響がある…はずだ。
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