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返事
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言ってしまった。
ゴクリと自分の喉がなる音がした。
あれだけ隠そうとしてきたのに。
これで終わりか。
終わらせたくなかった。
こいつがいなくなったら俺の生活はどうなるんだろうな。
もう会ってくれなくなるよな。
一瞬の間にいろんなことを考えた。
その間も目からは涙が溢れ続ける。
ほんと、こんな場所でなにやってんだか。
「…うぐっ…もういいだろ!」
巽はまだ腕を離そうとしない。
「返事、聞かねぇの?」
すこし楽しげに紡がれた言葉に瞑目する。
…へ、んじ、返事?!
そんなもの、必要ない。
「そんなもん、聞かなくてもわかるって!だ、から離せよ!気持ち悪くないのかよ!」
「なんだ、わかるのか」
はっきり断られたらきっと立ち直れなくなるくらいには落ち込む。
それぐらい、経験のない俺でもわかる。
「なら、いいんだな」
急に離された腕の反動でよろめいた。
涙は、まだ止まらない。
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