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怖い
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沈黙を破ったのは巽だった。
「……怖がられたら元も子もねぇし、怪我させるわけにもいかねぇし」
グッと肩を押される。
ベッドに押し付けられた形はどうしようもなく恥ずかしいものだった。
「男同士だし、お前の心の準備が出来るまでって思ってたけど、遅すぎ」
飢えた瞳がグッと近づく。
逆光の中でも光るように見えるその薄茶は魔法のように俺の視線を逃させない。
「要するに、もう待てねえってこと」
額同士が触れた。
熱と、匂いが他の感覚を鈍くさせる。
目を開けていられず、閉じてしまった。
「男なら分かれよ」
熱い吐息が口元をくすぐった。
「…巽、本当にいいのか。俺は」
「男だ、とか言うなよ」
「……」
溜息が聞こえた。
どうしよう。
絶対面倒臭い奴だと思われた。
いや、でもそれは巽も十分知ってることだ。
また訪れた沈黙が怖くて恐る恐る目を開ける。
予想に反して、目に入ってきたのは優しく笑う巽の顔だった。
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