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これゲーム詰んだんじゃね???
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「俺の名前は五十嵐 旭だ!副会長には編入してきた日に自己紹介したぞ!」
自分の名前を忘れられていることに頬を膨らませながら怒る旭。
う~ん・・・プンスコしてるの可愛いんだろうけど、そのウィッグと眼鏡で台無しだなぁ、マリモが怒ってるようにしか見えないもんなぁ
「ん?・・・んん!?」
「どうしました?環」
「え?旭今副会長って」
「そうだぞ!そいつは副会長だぞ!」
「うわぁぁぁ!!そいつとか言っちゃダメ!絶対!副会長なのは俺も知ってるから!」
旭が副会長を名前呼びでなく副会長呼びなのが気になって口に出したら『そいつ』とか食堂で、しかも注目浴びまくってるのに言っちゃうから、周りのチワワやゴツいのが口々に罵声を浴びせ始めた。
『詩紋様になんていい方を!』とか『不細工の癖に』とか他にも口に出すのもはばかれるようなものまで。
「自己紹介したのに覚えてないそいつが悪いんだぞ!それにお前ら人を見た目で判断するな!」
「分かった!分かったから!落ち着いて旭!」
名前を覚えられてないだけで旭は怒り心頭。周りのチワワたちにも怒り始めたので、目立ちたくない俺は必死で旭をなだめにかかる。
「副会長と友達なんだろ?キスまでしちゃった仲なんだろ?だったらそんなに怒んなくてもいいだろ?な?」
周りに聞こえないほどの声で旭に言うと怒りまくっていた旭がシーンと静まり返ったと思ったら今度はプルプルと震えだし
「副会長と俺がチューなんかするわけないだろ!俺がチューすんのは涼太とだけだ!!!」
旭の声が食堂全体に響き渡り、涼太を知ってる俺たちは凄い勢いで涼太の方へ顔を向けた。そこにはビックリしすぎて素の表情の涼太が。
「え?そうだったの?」
「マジか・・・」
弥尋と八神も知らなかったようで小さな声で呟き、驚きすぎて何も言えない俺をよそに旭はどれだけ涼太を自分が好きなのか熱弁し始めた。
「涼太はいつも変なことばっか言うけど凄く可愛いんだぞ!勉強も教えてくれるし。俺を他の奴とくっつけようとしてくるけど!俺は初めて会った時から涼太が好きなんだぞ!初めてチューしたときも可愛かったし」
あ、それはあれよ旭、涼太は・・・腐男子だからって違う違う!そうじゃない!
一人ツッコミ入れてたらまた周りから『キモい』とか『あんな奴にキスされたら死んじゃう』とか色々と聞こえてくる。
言いすぎだろって思って止めようとしたら旭がボソッと「もういい」と呟くと自分のウィッグとメガネを掴んで外した。
現れた金髪とぱっちり二重のその辺のチワワより可愛い顔に周りがざわつき出す。
あー・・・自分で外しちゃうんだ?え?待って待ってゲームの設定どうなってる?
生徒会とも関わってない、ホスト教師も五十嵐呼び、八神と弥尋はまだお友達止まり、ゲームには出て来なかったはずの涼太が居て・・・どういうことだ?
「これで文句ないんだろ!キモイ奴にキスされて可哀想とか抱かれて可哀想とか言われたら涼太が可哀想だからな!もうこれからはカツラも眼鏡もつけない!叔父さんには謝っとく」
「だ、抱かれ!?だっ・・・」
旭と涼太とを交互に指差すと涼太はプシューッと音が出そうなほど顔を真赤にさせ俯いた。
「涼太に手ぇ出すなよ、環でも許さないぞ!」
出さない出さない!出さないけど、まさかの主人公君恋人持ち!!しかもエッチ済み!更にタチだったよ!!!
これゲーム詰んだんじゃね???
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