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1年S組
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廊下にある窓に寄りかかり中から聞こえる声に耳を傾けながら外の景色へと目を向ける。
そう待つこともなく中から「入って来い」と声が掛かり多少緊張しながらも教室へ足を踏み入れる。
1歩足を踏み入れると一斉に向けられる視線と、「キャーッ!!」だの「ウォーッ!!」だのという黄土色の叫び声。
予想だにしていなかった叫び声にビクッと身体を揺らし、無意識に後退りして廊下へと再び出てしまう。
キャーッて何だ!?男がキャーッて!!女子か!女子なのか!?
廊下から教卓の前に立つホスト教師に目を向ければ、呆れたようにコチラを見て手招きする。
「大丈夫だから入って来い。ほら、大丈夫だって」
恐る恐ると再び教室へと足を踏み入れると、やはり感じる多くの視線。先程のように叫ばれはしないがあちらこちらから聞こえる「カッコイイ」だの「イケメン」だのの声。
嬉しくないわけではないが、言ってるのが同じ男だと思うと素直に喜べない。
足早にホスト教師の横に立つと生徒たちの方へ身体を向ける。そしてまた聞こえてくる声。
「抱いて」って何だ!?抱かねーよ!無理無理!!
オイコラそこ!「一発ヤラせろ」って何だよ!女とヤレ!無理ならキャーキャー言ってるチワワみたいな奴らに頼め!!
「おら、てめぇらうるせぇぞ!静かにしろ!コイツは俺んだから手ぇ出すんじゃねぇぞ」
「誰がアンタのものだ誰が!」
「お前」
「ねぇわ!」
「ktkr!!!!wwwwwwww王道じゃないけど、エロホスト教師×ツンデレ強気転校生wwwもう手出されちゃった感じですかね、分かります。おいしいです!ありがとうございますwwww」
「落ち着け結城!!鼻血出てるから!ほら、これ鼻に詰めとけっ」
あまりの事にポカンとして興奮気味に叫び出した1人の生徒に目を向ければ鼻血が出ており今度は顔を引き攣らせる。
そして隣の席に座っている生徒からティッシュを渡され落ち着くよう宥められていた。
「帰りてー・・・」
「来たばっかで帰りたがってんじゃねぇ、気持ちは分からんでもねぇが」
無意識に口に出してたらしい言葉を拾われ。黒板へ自分の名前が書かれていく間に生徒たちに静かにしろと再度注意する。
「静かになった所で、環自己紹介しろ」
「名前で呼ぶなって」
「な・ま・え・呼・び・・・だと!?wwwwwwww萌え滾るwwwwwwwww」
「結城うるせぇ!沈めるぞ!」
「フヒヒwwwサーセンwwww」
何かホントキモい・・・その言葉に尽きるなあいつ。男版輝海じゃねーか・・・腐女・・・腐男子?とかってやつだろ?こわーい!帰りたーい!!
遠い目をして外の景色へと目を向けていれば頭を小突かれ「自己紹介しろ」ともう一度促される。
「はいはい、分かりましたー。・・・えーっと、一ノ瀬 環です、親の仕事の都合で急遽全寮制のこの学校に編入してきました。よろしくお願いしまーす」
怪しまれない内容の自己紹介をすると最後に俺は無害ですよというアピールの為にヘラッと笑っておく。
自分の中で完璧だと一人納得していれば、バシッと頭を叩かれる。
「痛ぇっ!?何!?」
「無駄に笑顔振り撒いてんじゃねぇよ」
「愛想よく自己紹介したのに!?」
「お前は笑うな」
「理不尽!!」
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