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早坂くんの後ろ姿を見失わないように追って行く。
どこへ向かっているのだろう?
誰か他のクラスの人と昼飯を食べるために会いに行くのかな?
いや、でも、早坂くんが俺以外の生徒と喋っているところなど見たことがない。
俺の見解だが、早坂くんはきっと、人に話しかけるのが好きではないのだろう。
早坂くんから俺に話しかけてくれることが少ないのがそれを物語っている。
でも、少ないは少ないが、0ではないことが密かに嬉しい。
少し頬が緩みながらも、早坂くんの後を追う。
着いた先は......
屋上だった。
澄み渡る青空が見える。
空気も綺麗だ。
...もしかして、早坂くんはここで昼飯を食べるために...?
ぽけーっとそんなことを考えていると、
「荒木?」
早坂くんが俺に話しかけてきた。
しまった! 隠れるのを忘れていた......!
「ぐ、偶然だねー!! こんなとこで会うなんて!!!」
屋上でばったり会うだなんまずないだろうけど、言い訳がそれしか思いつかなかったのでなんとか笑顔を貼り付けて言う。
教室を出て行く早坂くんが気になって後を追っただなんて言えない......!!
「...ふーん? .........そっか。偶然だね」
早坂くんがバカでよかった!!!!!
ありえない嘘を信じてくれた早坂くんに心の中で感謝する。
「あははー。そうそう。偶然偶然!」
「荒木は屋上に何しに来たの?」
「へ!? え、えっと、お、屋上とか空気いいとこで飯食ったら飯が一層美味く感じるだろうなって...思って...!」
「...そっか......」
早坂くんは少し、元気がなさそうにそう返事をした。
...? どうか、したのだろうか。
「...早坂くんはどうして屋上に?」
「............」
「早坂、くん?」
「............ぐぅ」
...ん?
"ぐぅ"?
そっと、早坂くんの顔を覗き込んで見る。
なんと、早坂くんは立ったまま寝ていた。
元気がなさそうに見えたのは、眠かったからか...!!
それにしてもすごい...立ったまま寝るだなんて...器用だ...しかも、俺との会話の途中に......。
もしかして、屋上に来たのは昼寝をするためなのかな...?
本能のままに動いている早坂くんが、なんだか可愛い。
まあ、俺が一目惚れしちゃうくらいいつも可愛いんだけどね......。
その後、早坂くんは起きる様子がなかったため、突っ立ったまま寝ている早坂くんをコンクリートの上に寝転がせてから、早坂くんの寝顔を見ながら昼飯を食べた。
うん。早坂くんの寝顔可愛い。
より一層飯が美味い。
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