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「お待たせしましたー」
注文を終えてから数分で、店員からクレープが手渡された。
俺はチョコバナナクレープで、早坂くんはイチゴと練乳が入ったクレープだった。
出来立てのクレープは、甘い香りを漂わせる。
クレープ屋にある席に座り、早速クレープを食べることにした。
「いっただっきまーす!」
はぐっと勢いよくクレープにかぶりつく。
薄い生地と、バナナの甘さとチョコの甘さ、全てが口の中でマッチングする。
甘い。美味しい。
そういえば、クレープなんて食べるのは何年ぶりだろう。
早坂くんは、俺がクレープを食べるところを見た後、同じように食べ出した。
クレープを食べる早坂くんの一口一口は小さい。
......女子かよ!!
「ん、甘い......」
嬉しそうな声を上げながら食べる早坂くん。
なんというか...すごく、可愛い。
「美味しい...」
早坂くんの食べるときの効果音をつけるならば、"もきゅもきゅ"という音が妥当だと思う。
だってこんなにも可愛いんだもん。
ほら、クレープ屋の店員も早坂くんのこと見てるし。
「美味しかった。ご馳走様」
早坂くんに見惚れながら食べていると、いつの間にやら早坂くんは完食していた。
は、早い。いや、俺が早坂くんのこと見過ぎてた?
俺も残り一口だったので口に押し込む。
うむ。美味。
「奢ってくれてありがとう。荒木」
「いや、全然気にしなくていいよ」
むしろ可愛い食べる姿を見せてくれてありがとうってこっちがお礼を言いたいぐらいだ。
なんでこんなにも早坂くんは可愛いのだろう。
そう思ってもう一度、改めて目の前の早坂くんを見る。
うん。可愛い。
「荒木...」
「へ?」
早坂くんの顔が徐々にこちらに近づいてきた。
な、なんだ?! 一体どうしたんだ?!
プチパニック状態に陥っていると、早坂くんは俺の口の端を、テーブルに備え付けてあったウェットティッシュで拭ってきた。
「んんぅ...!?」
「口の端、チョコがついてた」
「あ、あー! ごめん、ありがとう」
荒木は食べるの下手だねと言って笑う早坂くん。
友達になって、早坂くんの顔をたくさん見慣れて、早坂くんに一目惚れしたこの思いは違う物だと知らしめようと思っていたのに...たったの二日、三日でこんなにも早坂くんのことが好きになっている。
ダメだ。非常に危ない。
「......荒木? 頭抱えてどうしたの?」
「自分の策略が見事に外れたうえにダメな方面に行ってて絶望してる」
「......ふーん?」
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