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クレープ屋に行った後はデパート内をブラブラと早坂くんと二人で歩いていた。
たまにお店に入って、これはどうだとかいろいろ話をしたりして楽しんだ。
そしてその帰り道。
日はすっかり傾き、空はオレンジ色に染まっていた。
夕日に照らされる早坂くんもやっぱり、綺麗だし、可愛い。
「今日は付き合ってくれてありがとう」
「僕も楽しかった......ありがとう」
まさか早坂くんとこんなにも仲良くなれるとは思っていなかったから、嬉しい。
帰り道に友達と寄り道ができたから嬉しいんじゃない。
帰り道に早坂くんと寄り道ができたから嬉しかった。
「ねえ、荒木...今日の昼に話していたこと、覚えてる......?」
「昼...? なんだったっけ?」
「呼び方の話。友達だし...名前呼び、したい」
「あ、すっかり忘れていたよ...ごめん。えっと...じゃあ、
蒼くんって、呼んでいいの...?」
初めて口にする早坂くんの名前に、少しドキドキする。
「呼び捨てでいいよ。僕も呼び捨てで呼ぶから。......じゃあ、改めて、よろしく。慶」
そう言って笑う蒼の表情は、今まで見た中で一番嬉しそうで、輝いてて、綺麗だった。
鷲掴みされそうになった心臓をなんとか平常に保つ。
あ、危ない...!!
今までで一番危なかった...!!!
うっかり惚れそうになった!
既に一回惚れてるけど!!
「...よろしく、蒼」
このままでいいのだろうか。
関わっているうちにどんどん蒼の魅力に惹かれている。
一抹の不安を持ちながらも、蒼と友情の証として握手をした。
蒼の手は相変わらず小さくて、白くて綺麗だった。
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