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高校が始まってからの初めての休日。
休日でも僕の両親は仕事で出掛けてしまっている。
朝起きて、リビングのテーブルの上を見ると、
"このお金で今日のご飯を食べなさい"
という書き置きの手紙と共に、お金が置かれていた。
他人に嫌悪な目で見られずにすむ休日が、昔は好きだった。
しかし、今は休日が嫌いになりそうだ。
学校がないから慶に会えない。
慶のあの人懐っこい笑顔が見たい。
僕はすっかり、慶のことばかり考えるようになってしまったようだ。
いくら考えても慶には会えない。
深くため息をついてから、僕はご飯を買うために、テーブルの上にあったお金を財布に入れて一人で出掛けた。
一人なんだし、ご飯は簡単なものにしよう。
適当に卵焼きでも作って、レンジでチンしたらできるご飯とインスタントの味噌汁でいいや。
手慣れたように僕は買い物カゴを持って、スーパー内を歩く。
牛乳を切らしていたんだった。
買っておこう。
どうせ家に帰っても一人でやることなんてないんだ。
僕は目的の物を買った後、スーパーの中を当てもなくぶらぶらと歩き回った。
「蒼...?」
そんなとき、後ろから声が聞こえた。
それは、少しだけ久しぶりに聞く、
「...あ、玲」
幼馴染の声だった。
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