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「久しぶりだな。元気にしていたか?」
「...うん」
スーパーで偶然、玲と会った僕は久しぶりに僕の家で、ゆっくり二人で話をすることにした。
玲もどうやら、一人で暇していたみたいだし。
矢代 玲(やしろ れい)......僕が幼稚園の頃に会った、一つ年上の幼馴染だ。
家が近くて、親同士も仲が良くて、気付いたら僕と玲は仲良くなっていた。
黒縁の眼鏡をかけ、きちっと整った茶髪(地毛だそうだ)をしていて、服もスマートなものを着こなしている。
まさに"頭が良さそう"、"品行方正"という感じを漂わせている玲は、その期待通りに頭がいいし礼儀正しい。
僕なんかとは比べ物にならないくらい。
そんな玲は、テストが近くなると僕に勉強を教えてくれる。
頼り甲斐のある玲は、僕にとって幼馴染というより、お兄ちゃん的存在であった。
仲が悪いわけでもないが、そこまでいいというほど良いわけでもない。
付かず離れずという関係である。
「高校生活はどうだ?......その、......いや、なんでもない。元気そうな顔が見られて良かった」
玲は、学校で僕がどんな状況に置かれていたか知っている。
クラス...いや、学校のみんなにハブられていたこと。
話しかけても誰にも相手にしてもらえなかったこと......
だからこそ、玲には、僕が高校で友達が出来たことを知って安心してもらいたい。
そう思い、高校のことについて話すことにした。
「玲、聞いて。高校で......友達が出来たんだ」
「......! そうか、よかったな!!」
自分のことのように喜ぶ玲。
予想を遥かに超える喜びっぷりに、驚いたが嬉しかった。
玲は僕の頭をグリグリと撫で回してきた。
少し痛いが、それがなんだか心地いい。
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