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「慶! お前、さっきの休み時間のときに九条先輩と喋ってたよな!? 大丈夫だったか!?」
「え? 九条??」
「九条先輩だよ! 九条湊(くじょう みなと)先輩!」
ちびっ子ギャングから逃げて来た後の授業が終わったや否や、同じクラスの男子に突然、そんなことを言われた。
俺はいつも蒼とばかり話しているが、一応、蒼以外のクラスメイトとも仲良くしている。
俺はフレンドリーで友達が多いからな!(自称)
蒼は未だに、俺以外の奴と喋っているところは見たことがないが...。
それより......九条...?
そんな名前の知り合い...俺にはいない。
「えっと...誰?」
「知らねーの!? ここら辺では有名なのに!! ほら、さっきお前が会ってた、黒髪で、その......す、少し.........身長の低い先輩だよ」
黒髪で身長が低い?
...ああ!
「さっきのちびっ子ギャングか!」
「ち、ちびっ子ギャング...!? 多分お前が言ってる奴であってるけど......あんまり関わんない方がいいぞ」
「いや、別に関わるつもりなんてねーけど......なんで?」
「なんかいろいろやらかしたみたいでさ...ここ最近、謹慎になってたんだよ。で、その謹慎が解けて昨日くらいから学校に来出してんだ。ほんとソイツ、喧嘩が強くってさ......他校の生徒百人くらい病院送りしたって噂もあるんだぜ?」
「ひゃ、百人!? いくらなんでも、それは多すぎだろ...! デマだろ?」
「俺も人から聞いたってだけで確証なんてものはねーんだけど......まあ、兎にも角にも慶が無事みたいでよかったよ」
クラスメイトからの話を聞いて、九条の姿を思い返す。
見た感じ、俺より弱そうなイメージだった。
口は悪かったけど。
あんな小さな身なりで、他校の生徒を百人も病気送りなんてことができるとは到底思えない。
でも、ヤンキーであることはわかる。
あのチャラチャラした風貌。
喧嘩っ早い性格。
まさに、"俺ヤンキーです!!"と体全体を使って言っているような奴だった。
そんな危ない奴とぶつかったのに無事だった俺は幸運だったのかもしれない。
もう二度とあの先輩に会いたくないな...と思った。
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